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2011年9月24日 (土)

[野菜の学校](8) 丹波山の芋

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「“丹波”はええ名前やからなぁ」と、[野菜の学校]の講師として来てくださったひょうご在来種保存会会長の山根成人さん。
確かに。「丹波」がつくと、値打ちが上がります。
「ものもええよ」。
でも、すでに名声が確立しているものを、ここでことさら取り上げて紹介することもないだろう、というお考えがあるようでした

以下は配布資料から
<プロフィール>

  • ヤマノイモ科ヤマノイモ属ナガイモ種のツクネイモ群。大和イモ黒皮種。
  • 伊勢参りから「伊勢いもを持ち帰って栽培した」「自生する自然薯(ジネンジョ)に改良を加えた」「大阪府東能勢町の妙見参りのみやげとして持ち帰った」「奈良より移入した(大和芋)」など、諸説ある。江戸時代には篠山藩主青山公に献上されていた。
  • ひとつのツルに1個しか作らず、土は深く、水も肥料もたくさん必要で、除草などのためにわらを敷くなど手間のかかる作物。
  • 丸くて大きく、粘りがつよい。「丹波の土自体が粘りが強く、いもがゆっくりしか育たない。また、内陸のため、昼夜の温度差が大きく、昼間に光合成で養分を蓄えるが、夜は冷え込むため消費しないですむ」ため、粘りのつよいよいいもができるらしい。
  • また、丹波で普及したのは、稲の収穫が終わるといもの収穫、その後杜氏として出稼ぎへ行き、もどって4月にいもの植え付け、5月に田植えというサイクルで、稲作と杜氏の合間に出来る作物であったことも理由のひとつと考えられている。

<栄養・効能>

  • エネルギー123kcal、タンパク質4.5g、カリウム、亜鉛や胴などを多く含む。長いもに比べると倍のエネルギーがある。
  • でんぷん消化酵素のジアスターゼを含むため、消化促進、疲労回復によい。
  • 丸いいもの中で、丹波のやまいもが最も多くアミノ酸を含んでいる(兵庫県農業技術センター調べ)。

<基本調理法・料理例>

  • 皮をむき、すりおろして粘りを利用した料理にすることが多い。
  • おろしてとろろにするのはもちろん、揚げる、焼く、団子にして鍋の具など。
  • 山いもを調理する時、直接肌に触れるとかゆくなる場合があるが、これは皮付近に多く存在しているシュウ酸カルシウムの針状の結晶が壊されて拡散し、手や口など肌に刺さってかゆみが発生するため。シュウ酸カルシウムは酸に弱いので、あらかじめ山いもを酢水につけて料理すると、かゆみが少なくなるといわれている。ただ、酢水につけると食感がかたくなるので気をつけること。
  • 皮の一部を残してむき、持つ場所を作ったり、手袋やポリ袋で手を覆って皮をむくなど、直接さわらない工夫をするとよい。

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