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2011年11月27日 (日)

[野菜の学校](4) 仙台白菜

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[野菜の学校]11月は仙台の伝統野菜です。その一つ、仙台白菜の成立には、今回の講師、渡部憲明さんの渡辺採種場が深く関わっています。

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以下は、渡部憲明さんが用意してくださった資料から。
<プロフィール>

  • アブラナ科アブラナ属。
  • 白菜の種子はいくつかのルートで中国から入ってきた。明治8年(1875年)に国の三田育種場で試作。東京での博覧会に中国から白菜の見本(根付き)が出品され、それを譲り受けた愛知県の栽培所が研究。日清戦争や日露戦争に行った兵隊が種子を持ち帰ったなど。
  • 白菜が日本で広く栽培されるようになったのは大正時代。はじめは中国からタネを輸入していたが、日本でも品種改良が進み、採種の仕方がわかってからは、非常に発展。日本各地で多くの地域品種ができた。
  • 地方品種の中で全国的に利用されたのは松島系、愛知系、加賀系の3系統。それぞれのルーツは原産地山東省にあった異なる品種で、松島系は芝罘(ちーふー)白菜、愛知系は結球山東白菜、花加賀系は包頭連(ほうとうれん)白菜。
  • 松島白菜は、明治28年、日清戦役の際、第二師団(仙台)の岡崎参謀が中国(山東半島)から持ち帰った結球白菜の種子を、宮城農学校の沼倉吉兵衛氏が試作したのがはじまり。沼倉氏は、松島湾内の馬放島で隔離栽培した。これが日本の白菜の原型の一つ「松島白菜」。
  • その後、これをもとに渡邉頴二氏によって「松島純一号」「松島純二号」「松島新二号」「松島大型二号」などが新たに育成された。大正末期に東京や横浜等に出荷され、「仙台白菜」として全国的に広がった。
  • 仙台から貨車を利用し出荷されたが、やわらかいためキズが付きやすく病気にも弱く収穫期間が短いなどの理由で新しい品種が取って代わった。
  • 戦前に「仙台白菜」として一世を風靡した松島純二号などの品種は、渡辺採種場によって種子が守り続けられてきた。近年、仙台近郊農家の協力のもと「仙台伝統野菜」のひとつとして再注目され、栽培が復活している。

<栄養・効能>

  • エネルギー14kcal、水分95.2g、カリウム220mg、ビタミンC19mg/100g含む。
  • カロリー値が低いので、ダイエット食のひとつとしても注目されている。

<基本調理法・料理例>

  • 加熱して煮物、和え物、炒め物、鍋の具材に。
  • 漬物、シャキシャキした歯ごたえがあり、生でサラダや和え物にしてもおいしい。
  • やや甘みがある。霜が降りる頃になると甘みが増す。
  • くせがないのでいろいろな料理に使える。

▼白菜とりんごのサラダ
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  • 白菜 400kg
  • リンゴ 1/2個
  • ゆず 1/2個
  • 塩 小さじ1/2
  • 酢 大さじ1
  • オイル 大さじ2 
  • 粒こしょう 適量
  1. 白菜とりんごは細切り
  2. ゆずの皮は細かくみじん切りして軽く絞る
  3. 塩、こしょう、酢、オイルを混ぜてドレッシングを作る
  4. 1の水分をよく切って、3で和え、2をのせる

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