[野菜の学校](7) 小瀬菜だいこん
以下は配付資料から
<プロフィール>
アブラナ科。
- 名称はだいこんだが、根の部分は小さく手のひらサイズほど。葉の部分が1メートルほど成長するので、主に葉の部分だけを食べる変わった品種のだいこん。
- 江戸時代の末期、当時は宮城県にある小瀬菜地区で保存食として栽培されていたのが始まり。(講師の渡部憲明さんからいただいた資料には、明治4年ろくぶ様による伝来説もあり)
- 播種期は大体8月から9月頃、収穫時期は11月の下旬頃。
- 1985年頃は直売所で小瀬菜だいこんを売っていたが、現在では栽培しているのは数軒の農家のみ。
- 近年は食用としてではなく、根こぶ病のおとり植物としての利用が増えている。
<栄養・効能>
- 葉は水分が90.6%、エネルギーは25kcal、カルシウム、鉄、カロテン、ビタミンB群、Cを多く含む。特にカルシウムは260mg/100gと多く含まれている。
- 根は水分94.6%、エネルギーは18kcal、炭水化物4.1g(糖質2.7g・食物繊維1.4g)、糖質の大部分がブドウ糖、ビタミンCが12mg/100g含まれている。
- だいこんの根はでんぷんの分解酵素ジアスターゼを含む。酵素は加熱により活性を失うので生食するのが効果的。もちを食べる際、だいこんおろしを食べると消化がよいといわれるのはこのため。
<基本調理法・料理例>
- 食感は独特で歯ざわりがよい。葉は甘みがあり、ジューシー。
- 葉は青菜として、茎は漬け野菜、生食用としても使える。根は生産地では捨てられるようだが、辛みがあってわさびなどの薬味がわりになる。
- 大きく成長する葉の部分を漬物として利用することが多いが、みそ汁の具、煮物などに。
- 漬物は長い時間が経つと葉の部分が変色し、べっこう色になる。味も青々している時とは違う味になる。
- 小瀬地区では葉を乾燥させて貯蔵することもある
試食は、葉の部分の浅漬けと、根のバターソテーです。
▼小瀬菜大根浅漬け
- 大根葉は1㎝ほどの小口切りにして、2%の塩をまぶし、ビニール袋に入れてよく混ぜ、重石をする。
- 小瀬菜大根は約5㎜厚さの輪切り。
- フライパンにバターを溶かし、1を入れて焼き、しょう油とこしょうをふる。
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