[野菜の学校](6) 万木(ゆるぎ)かぶ
以下は「万木かぶ」の配付資料から
<プロフィール>
- アブラナ科。
- 高島市安曇川町万木地方で受け継がれてきた赤かぶで、この地方で作られていた蛭口かぶと白かぶが自然交配してできたものといわれている。
- 明治時代に地元の農家水口藤助氏が系統選抜に努めた結果、優れた形質となり広く栽培されるようになった。当時は、「藤助かぶ」とよばれていたが、明治中期頃、主産地である「万木」が品種名になった。
- 長さ50~60cm、茎は白く、葉は柔らかくなめらかで切れ込みがない。根は9~10cmほどの球形で、ややうすい鮮紅色でつやがある。中は白色で赤が混ざる。肉質は軟らかすぎず、堅すぎず、漬物にすると適度な歯触りになる。赤かぶに白かぶの良いところを混ぜた洗練された印象。
- 万木かぶの根こぶ病の被害が年々増加したため、滋賀県農業試験場で根こぶ病耐性品種の育種に取組み、平成2年に新しい品種が登録され、現在では「近江万木かぶ」の愛称名で市販されている。
<栄養・効能>
- かぶはエネルギー14kcal、水分95.2g、カリウム220mg、ビタミンC19mg/100g含む。
- 赤い色はアントシアン。
<基本調理法・料理例>
- ぬか漬け、甘酢漬けなど。葉も柔らかく、漬物として食べる。
- 11月~12月に干してから漬物にする。
このかぶは、青葉高先生によると、「万木かぶ」になる前のほうが歴史が長い。『野菜』(法政大学出版局)には以下の記述があります。
琵琶湖の西側の高島郡安曇川町万木地方の特産で、400年以上の歴史があると言われている。本種は江戸時代の儒者中江藤樹が伊予国(愛媛県)から取り寄せたのが起源であるとか、逆に本種を伊予国や伯耆国に移したとの言い伝えがある。本種が万木かぶと呼ばれるようになったのは、明治の中頃以降で、万木の水口藤助氏の改良の結果とされている。
万木かぶも伝統的にぬか漬けや酢漬けなど漬けもので食べるのですが、[野菜の学校]では現代的な利用法を探り、蒸し煮で試食。
- 万木かぶ 1.2kg
- ベーコン 180g
- 塩 小さじ1
- コショウ 適量
- 酒 大さじ2
- かぶは1.5cm厚さに切る。
- 鍋を火にかけて、ベーコンを炒め、かぶを加えてさらに炒める。
- 塩と酒で調味し、コショウをふり、蓋をして強火で3分、弱火にして20分ほど煮る。
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