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2012年1月12日 (木)

八百屋塾 (1) かぶ

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1月の八百屋塾は今週末ですが、その前に昨年12月の[八百屋塾]をまとめておかなくては。12月はかぶがテーマでした。講師は、武蔵野種苗園の林信一さん。武蔵野種苗園は、さまざまなかぶのタネを開発し、販売している会社です。

以下は林さんのお話からピックアップしたいくつか。

  • 古代ローマ時代からさまざまなタイプのかぶがある非常に古い野菜。ロシアには「大きなかぶ」という民話がある。
  • 穀物が不作のとき、やせた土地でも安定して収穫できるので、冬場をしのぐ救荒作物だった。
  • かぶは春の七草の「スズナ」。『日本書紀』には「あおな」、『万葉集』には「茎立(くくたち)」という名前で出てくる。
  • かぶが若いうちは葉っぱ、大きくなったら太った根、残ったものは春に菜花として食べる。各ステージでの利用に特化したかたちに分化し、現在に到っている。
  • 非常にわずかな肥料でも十分に育ち、肥料が多すぎると、障害が出る。
  • 日本には、 西洋種と東洋種のタイプのかぶが伝来した。関ヶ原あたりを境目にして、寒さに強い西洋種は東、東洋種は西に根づいた。
  • 西洋種は葉に切れ込みがあり、細かい毛が生える。抽台が遅く、寒さに強く、比較的根がかためで保存が利くタイプ。白かぶのほかに、赤かぶ、青かぶなど、さまざまな色かぶが多い。東洋種は広葉のタイプで花が咲きやすく、根に水分を豊富に含むため、肉質がやわらかい。かぶの色は白が多く、色かぶは赤くらいしかない。葉もやわらかい。
  • 東京市場に出荷されているかぶは千葉県産が多い。千葉県の面積は1000~1100町歩、一番大きな産地は銚子の近くの東庄町。柏市、松戸市、船橋市といった都市部の近くでも作られている。
  • 埼玉県の産地は所沢、川越などで、約400町歩。
  • かぶは、根と葉あわせてひとつの商品。鮮度が非常に重要なので、都市近郊で作られる。昔は「金町小かぶ」といわれる通り、東京でも作っていた。
  • 西日本のかぶ需要は、東に比べると少ない。産地は徳島県。どちらかというと、中かぶ文化圏。

以下は登場した白いかぶのいろいろ
▼小かぶ(千葉)
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金町小かぶの系統。

▼百万石青首蕪(武蔵野種苗園)
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中蕪といわれるタイプ。金沢青かぶの交配種で、かぶら鮨用に栽培されている。

▼白馬(武蔵野種苗園)
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松戸で金町系のかぶを改良。糖度が高く、生でそのまま食べてもよいので「サラダかぶ」とも呼ばれる。

▼CR雪峰(武蔵野種苗園)
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「CR」というのは、クラブルート・レジスタンス(clubroot resistance)のことで根こぶ抵抗性があるかぶ。かぶは、繰り返し同じ畑で作ると、根こぶ病にかかりやすい。そこで、根こぶ病に強いヨーロッパ系の飼料かぶと日本かぶを交配した。当初はヨーロッパの血が強く果肉がかたかったが、その食味を改良したのがこれ。

▼井上農園
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東京都羽村市産。品種はタキイの「スワン」。

▼天かぶ(千葉)
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天王寺かぶを思わせる大きさとかたちなので、「天かぶ」と呼ばれているが、地のタネという。品種は不明。

▼聖護院かぶ
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千枚漬けに使われる京都の伝統野菜。

▼豆かぶ
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主に飲食店で飾りに使われるという。

▼宝谷かぶ(山形)
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焼き畑で作られている山形県鶴岡市の伝統野菜。

 

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