« [野菜の学校](3) とうだちした「三河島菜」 | トップページ | [野菜の学校](5) 東京うど »

2012年4月12日 (木)

[野菜の学校](4) 亀戸大根

1_4

「亀戸大根はすぐわかります。茎の色が白いでしょう」と大竹道茂先生。突然変異で白い茎のものが出たのを珍重して、育成していき、白茎のだいこんができあがったのだそうです。
▲写真左が亀戸大根、右は美濃早生大根

▼亀戸大根
2

とても美人なだいこんです。

▼香取神社にある石碑

Photo

亀戸大根というと、亀戸の香取神社で3月に行われる福分け祭りと、神社近くの料理屋「升本」のあさり鍋
福分け祭りは、近くの小学校で子どもたちが栽培した亀戸大根の奉納があり、お多福大根とも呼ばれたところから、「福分け」としてだいこんをいただけるお祭りです。

▼升本のあさり鍋
Photo_2

以下は配付資料から
<プロフィール>

  • アブラナ科。
  • 文久年間(1861~64)に亀戸周辺で盛んに作られただいこん。「お多福大根」ともいう。
  • 産地は東京都葛飾区。収穫時期は 3月彼岸~4月、生産量は不詳(1生産者2~3万本)で現在の生産者は本格的には1人、ほか3~4名。
  • 荒川上流から運んだ肥えた土のため、肉質が緻密で風味のよい白いだいこんができる。鮮緑の丸葉で、根元の太さ6㎝、長さは30㎝位の小型だいこん。根も葉もいっしょに浅漬やぬか漬にでき、新鮮な野菜の少ない早春の青物として江戸市民から喜ばれた。
  • 春秋蒔けるが、春にトウ立ちしにくい性質を利用して晩秋に蒔き、年越しして春の浅漬け用高級だいこんとして収穫する作型で広まった。初物好きの江戸っ子は、亀戸大根を待ってぬか床を出し、その年初のぬか漬をした。
  • 亀戸大根の栽培発祥を記念して、平成11年には香取神社に「亀戸大根の碑」が建てられた。
  • 都市化の中で、生産は葛飾区高砂に移った。種を守ってきた鈴木藤一さんは、軸(葉柄)が真白でやわらかい株を残すためチョウによる自然交配の防止、冬の太陽熱を上手に取り入れて旬のおいしさを育てるヨシズ栽培の技など、多くの努力と工夫で栽培を続けている。
  • JA東京スマイル、JA東京中央会が支援しているほか、旧産地の亀戸周辺では、商店街の若手経営者グループが「亀戸大根を地域のシンボルに」と、小学校での栽培体験、亀戸大根にちなむお菓子づくりなどを行ない、また亀戸大根をメニューに取り入れた料亭もある。

<栄養・効能>

  • 根は水分94.6%、エネルギーは18kcal、炭水化物4.1g(糖質2.7g・食物繊維1.4g)、糖質の大部分がブドウ糖、ビタミンCが12mg/100g含まれている。
  • 葉は根より栄養分が多い。水分が90.6%、エネルギーは25kcal、カルシウム、鉄、カロテン、ビタミンB群、Cを多く含む。特にカルシウムは260mg/100gと多く含まれている。
  • ビタミンCは普通のだいこんの2倍とのこと。

<基本調理法・料理例>

  • 葉、根ごと浅漬け。江戸の料理屋で出る香の物として「このだいこんに勝るものはない」といわれた。
  • 間引きした葉だいこんもおいしい。
  • 「亀戸升本」という店には、亀戸大根あさり鍋、麦菜飯、野菜スティック、たまり漬けなどのメニューがある。

▼試食は亀戸大根の深川汁風
1_5

  1. だいこんの葉はゆでて、1cm長さに切る
  2. だいこんは短冊切り
  3. 鍋に缶詰のあさりと汁、出しを入れ、みそとみりんで調味し、2を入れて煮る
  4. 大根が煮えたら、葉を加えて煮る
  5. わけぎを散らして仕上げる

|

« [野菜の学校](3) とうだちした「三河島菜」 | トップページ | [野菜の学校](5) 東京うど »

グルメ・クッキング」カテゴリの記事

」カテゴリの記事

野菜の学校」カテゴリの記事

料理」カテゴリの記事

伝統野菜・地方野菜」カテゴリの記事

野菜(根菜類)」カテゴリの記事

江戸・東京野菜」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [野菜の学校](4) 亀戸大根:

« [野菜の学校](3) とうだちした「三河島菜」 | トップページ | [野菜の学校](5) 東京うど »