ケール
▼ベジマルシェセミナーに登場した野菜たち
右奥の大きな葉っぱがケール
▼試食
「ゆで(奥)」と「生(手前)」。「生」は、思いがけなく甘い。「ゆで」は、やっぱり苦みやえぐみがあった。
ケールは、ずっと前に「デパ地下メモ」に書いたことがあります。
そうだった、ケールは宮沢賢治。青汁なんかじゃなくて。
「九月」(『春と修羅』 第二集)
キャベジとケールの校圃(はたけ)を抜けて
アカシヤの青い火のとこを通り
燕の群が鰯みたいに飛びちがふのにおどろいて
風に帽子をぎしゃんとやられ
あわてゝ東の山地の縞をふりかへり
どてを向ふへ跳びおりて
試験の稲にたゞずめば
ばったが飛んでばったが跳んで
もう水いろの乳熟すぎ
テープを出してこの半旬の伸びをとれば
稲の脚からがさがさ青い紡錘形を穂先まで
四(ヨン)尺三寸三分を手帳がぱたぱた云ひ
書いてしまへば
あとは
Fox tail grass の緑金の穂と
何でももうぐらぐらゆれるすすきだい
……西の山では雨もふれば
ぼうと濁った陽もそゝぐ……
それから風がまた吹くと
白いシャツもダイナモになるぞ
……高いとこでは風のフラッシュ
燕がみんな灰になるぞ……
北は丘越す電線や
汽笛の cork screw かね
Fortuny 式の照明かね
……そらをうつした潦(みづたまり)……
誰か二鍾をかんかん鳴らす
二階の廊下を生徒の走る音もする
けふはキャベジの中耕をやる
鍬が一梃こわれてゐた
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