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2012年5月20日 (日)

[野菜の学校](4) きぬさや

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[野菜の学校]5月は、天候不順のため千葉の伝統野菜が揃わず、「野菜としての豆」に変更しました。えんどうは、実を食べるタイプは「うすいえんどう」2種と「グリーンピース」「雷えんどう」「ツタンカーメン」、さやと実を食べるタイプは「きぬさや」3種と「オランダさや」「砂糖ざや」「スナップえんどう」「マーメラス」で、計12種類。

「きぬさや」という名前の由来は、さやどうしがこすれると衣擦れの音を思わせるからだそうです。

以下は配付資料から
<プロフィール>

  • マメ科エンドウ属。
  • 原産地:中央アジアから中近東。
  • 紀元前の新石器時代にすでに大麦や小麦とともに栽培されていた。ヨーロッパに伝わり、完熟した豆を食べる野菜だったが、13世紀のフランスで若いさやごと食べるえんどうが生まれた。
  • 日本では江戸時代からさやえんどうを食べるようになり、同品種の収穫時期をずらして「さやえんどう」「グリンピース」「完熟豆」として利用されていたらしい。明治時代になって欧米からそれぞれの品種が伝わり、各地で栽培されるようになった。
  • 「豌豆」の宛という字は、「曲がる」「曲がりくねる」などの意味があり、蔓が曲がりくねって延びる豌豆の姿からこの字を当てたとする説と、「曲がった眉は美しい」から「美しい容姿」のことを示し、豌豆の若ざやは美しく綺麗なのでこの字を当てたとする説がある。
  • きぬさやが流通の大半を占める。長さ5~6㎝で、薄くて柔らかい。産地は鹿児島、愛知、千葉、福島、伊豆半島など。

<食べ方・選び方>

  • 未熟なさやを食べる。収穫が遅れたさやえんどうは、そのまま肥大させ、実えんどうとして利用できる。
  • 緑が濃く、身が感じられないほど薄いものが上質。

▼伝統きぬさや(京都)
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京都で代々自家採種したタネで作っている「きぬさや」です。が、「きぬさや」とは思えぬ、実の入りかた。丸くふくらんで、さやを押し上げ、豆の形が見えています。こうなるとさやはかたそうですが、ふつうの「きぬさや」のよう。農家に品種を聞いたら「きぬさやだよ」と言われたそうです。

▼白花きぬさや(静岡)
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▼赤花きぬさや(千葉)
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赤花と白花の違いは、いくつかの説を聞きましたが、よくわからず。芦澤正和先生が『野菜園芸技術』2002年4月号に書かれた記事を見つけました。

ムギ類などともに最も古い作物の一つで、新石器時代(7,000年前)の遺跡に見られるという。おそらくこれは赤花・丸粒のarvense(field pea)であろう。アリアン族の移動とともにヨーロッパに伝えられ、これが白花・皺粒のヨーロッパ系エンドウ(hortence、garden pea)に発達した。

赤花・丸粒のarvense(field pea)と白花・皺粒のヨーロッパ系エンドウ(hortence、garden pea)は、今のきぬさやの赤花、白花につながっているのだろうか。チャンスがあったら、芦澤先生に聞いてみたい。

▼伝統きぬさや(京都)、ゆで
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▼赤花きぬさや(千葉)、ゆで
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▼きぬさやの卵とじ
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