江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座(5)
お話の内容は、次のとおり。
- 江戸時代の食に関する出版書
- 江戸時代の料理書の特徴
- 料理書にみる野菜類
- 『精進献立集』(1824)にみる野菜の種類と料理
- 調味料と料理
日本人の食生活は、昔から高度成長期にいたる長い間、飯(米や麦、雑穀など)でエネルギーのほとんどをとっていました。飯+漬けもの+汁が基本。漬けものと汁は、飯を進ませる塩分と水分だったわけです。
漬けものも汁の中身も野菜。だから食生活は野菜中心、というか、それしかなかったんだね。特にだいこんは大活躍。料理書(が食生活全般を反映しているかどうかは疑問ですが)に登場する使用頻度の高い野菜のトップです。
5冊の料理書に掲載されている料理総数2913。使用頻度の高い順から、1位だいこん14.6%、2位ごぼう9.2%、3位なす6.4%、4位ねぎ4.3%、計35.5%となっています。登場する野菜の約41%がだいこん、と考えていいのでしょう。それだけに、用途別に多様な品種が作られていたのだそうです。
資料に挙げられているだいこんの品種は以下の通り
- 秋大根
- 夏大根
- 三月大根
- 四月大根
- 赤大根
- 江戸大根
- 練馬大根
- 秦野大根
- 辛み大根
- ねずみ大根等
江原先生所蔵の復刻本も見せてくださいました。
▼1780年代に流行した百珍物のひとつ『豆腐百珍』の復刻本
江戸は、料理も文化も野菜も、とてもひかれる時代です。
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