[野菜の学校](6) じゅんさい
三種町の森岳地区には角助沼、惣三郎沼という沼があり、かつてはじゅんさいが自生していましたが、環境の変化によって姿を消してしまいました。今では、新たに個々で水田などを利用したジュンサイ沼をつくり、栽培しています。
現地視察をしたスタッフは、じゅんさい採りを経験したらしい。すごくたいへんだということがわかった、と言っていました。
<プロフィール>
- ハゴロモモ科ジュンサイ属。多年生の水生植物。別名はヌナハ、ヌナワ。
- 古くから食用にされており、『古事記』『日本書紀』『万葉集』にも奴那波(ヌナハ、あるいはヌナワ)として、記載されている。江戸時代の『農業全書』でも、山野菜のひとつにあげられ、栽培について書かれている。
- 秋田県の三種町が生産量日本一。白神山系「素波里」と出羽山系「房住山」からの水が三種町に流れ込んでおり、日本のじゅんさいの約9割を生産している。
- 水がきれいで、水温の変化が少ない湖沼で育つ。水が汚れると生育できないため、環境のバロメータにもなっている。日本では北海道から沖縄まで生育できるが、環境の悪化によりほとんど生育地がなくなっている。
- 初夏から盛夏にかけ、5cm程度の若芽を食用にする。若芽はぬめりのある透明な膜が葉や茎の周囲を覆っている。
- じゅんさいの収穫は箱形の小舟に乗り、ひとつひとつ摘み取る手間のかかる作業。
<栄養・効能>
- エネルギー5kcal、水分98.6g、食物繊維1.0g/100g。ほとんどが水分で栄養価は低い。
- 透明な膜は多糖類のガラクトマンナンで食物繊維の一種。腸内環境を整えてコレステロールや老廃物を排出し、生活習慣病を予防する。
<基本調理法・料理例>
- 生のじゅんさいはボウルに水を入れて浮かべ、やさしく、ぬめりがとれないように洗う。湯に通し、鮮やかな緑色に変わったらすくって冷水でしめ、ざるにあげて水気をきって使う。
- わさび醤油や酢醤油をかけたり、酢の物、吸い物、味噌汁、スープなど。
作り方というほどのことではないが、以下の通り。
- ジュンサイはざるに入れ、熱湯に入れ、色が緑に変わるまで浸す。
- 氷水に取り、ザルにあけて水気切る。
- 豆腐にのせ、合わせ酢かける。
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