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2012年7月12日 (木)

[野菜の学校](1) 山口伝統野菜

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[野菜の学校]7月は、山口県を取りあげました。講師は、山口県東京事務所の内藤雅浩さんです。

山口県が伝統野菜に取り組んだのは、1998(平成10)年度から2003(平成15)年度までの6年間。内藤さんは、ちょうどこの期間農業試験場野菜研究室にいて、伝統野菜プロジェクトを推進していました。その経緯は以下の通り。

  • 1998年度 全国の伝統野菜が注目されてきた中で、本県伝統野菜の復活に向けた取組をおこなうことを目的として、農林部内にプロジェクトチームを発足
  • 1999年度 農業試験場において、県内の伝統野菜のリストアップ・種の収集を実施。あわせて、種を守ってきた生産者からの聞き取り調査を実施
  • 2000年度 農業試験場において、栽培研究を開始
  • 2001年度 農業試験場で実証した栽培技術を現地に展開するとともに、販売に向けた生産組織の立ち上げを誘導
  • 2003年度 田屋なす、白オクラの本格販売開始

着々と進んだようにみえますが、いくつかの理由で「山口の伝統野菜」を決めるには到らなかったそうです。

■伝統野菜の定義

伝統野菜には古くからその土地で栽培されている品目、というイメージが定着しているが、山口県の伝統野菜・果樹については、来歴が不明なもの、昭和以降に確認された品目が多いなど、「伝統野菜」というカテゴリーで紹介することは難しい。

■流通体制

山口県は、少量多品目の産地構成で、地産地消型の取組を展開しているため、県外(特に首都圏)への低コスト流通ルートがない。そのため、県外への流通は宅配便に依存しており、価格が非常に高くなる。

■生産体制

伝統野菜に位置づけられる品目は大規模生産に適さないものが多く、そのほとんどが高齢者によって小規模に生産されている。このてめ、販売数量が少ない上に、品質レベルの高位平準化を図ることが難しい、などの課題がある。

現在、「伝統野菜」ではなく「やまぐちこだわり農産物」として、以下の品目を県内向けにピーアールしています。

  • はなっこりー
  • ゆめほっぺ
  • 萩たまげなす
  • かきチシャ
  • 長門ゆずきち
  • 白オクラ

このうち、[野菜の学校]にやってきたのは以下の2つです。
▼白オクラ
5

▼萩たまげなす
1_2

ちなみに「やまぐちこだわり農産物」の基準は以下の通り。

山口県内で生産される農畜産物のうち、生産・販売・商品管理に到る一貫した責任体制が確立させ、販売計画等が明確であるもののうち、生産方法や品質、品種の由来などにおいて、同種の農畜産物と比較して明確な違いが認められるもの

  1. 高糖度の野菜・果物
  2. 生産方法、調整方法などに特徴のあるもの
  3. 品種の来歴などに固有の特徴を持つもの
  4. 品種の形態などに特徴のあるもの
  5. 山口県オリジナル農畜産物
  6. 流通経路・鮮度保持などの取り組みに特徴のあるもの
  7. その他

結局、山口の伝統野菜は分厚いレポート「やまぐちに伝わる野菜と果樹」にまとめられ、本格的な復活には到らなかったわけです。
それと関係があるのかどうか…。当時誕生された内藤さんのご長男の名前は「憶良」。オクラと読みます。山上憶良という家庭思いの立派な歌人がいること、「記憶」の「憶」と「良い」の「良」でオクラであること、と言っておくさまを説得した、と笑わせてくださいました。

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