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2012年7月14日 (土)

[野菜の学校](3) 萩たまげなす

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[野菜の学校]7月のテーマは山口の伝統野菜です。教室に届いたウワサの巨大なす「萩たまげなす」は商品名、本名(品種)は「田屋なす」。1つ500g以上で品質のよい「田屋なす」を「萩たまげなす」と名づけて売っているのだそうです。

「萩たまげなす」は1株にできる数が2~4個と少ないから、作るほうは高い値段をつけないと採算がとれない。買うほうはこんなに大きくては使い勝手が悪い。つまり、どちらにとってもそれほどメリットはない、フツーに考えたらね。
その状況を一変させたのは、やっぱりテレビ番組でした。「どっちの料理ショー」にカレー食材として出て勝利。東京では紀ノ国屋で扱っていますが、収穫は7月中旬までなのでもうないかも。

▼この「萩たまげなす」は約800g
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▼この「萩たまげなす」は約700g
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<プロフィール>

  • ナス科ナス属
  • 原産地はインド東部が有力。世界中で栽培されているが、日本には奈良時代に奈須比(なすび)として伝わった
  • 萩たまげなすの産地は萩市、長門市
  • 品種は「田屋なす」で、昭和初期から40年代にかけて長門市田屋地区で作られていた。その種が萩市に渡り、作られるようになった。「萩たまげなす」は田屋なすの中で重さが500g以上の大きな果実に与えられた商品名。1株から2~4個しか収穫できない。一番果は約800g、二番果は600~800gにもなる
  • 皮が甘く、実はしっかりつまっていて柔らかく、きめ細かな肉質が特徴。甘みが強い
  • 「たまげる」とは、方言でびっくりするという意味。「たまげる」ほどおいしくて大きいことから、この名がついた
  • 出荷時期は、5月下旬から7月中旬

<歴史・経緯>

  • 1930年前後 長門市田屋地域で栽培されていたことが確認されている
  • 1965~75年 萩市に種が渡る
  • 1975~85年 栽培が廃れ、萩市の農家2戸によって種が保存
  • 1999年 県農業試験場が伝統野菜の調査を実施し、生産者から情報提供
  • 2000年~ 農業試験場において、栽培試験を開始(平成14年に確立)
  • 2003年 関係者が一体となって販路を模索(池袋の東武百貨店にて試食販売)。約8000本を予定価格で販売
  • 2006年 「どっちの料理ショー」にて、カレー食材として紹介(シーフードカレーに勝利!)
  • 2007年~ 首都圏に向けて本格的な販売を開始
  • 2010年 紀ノ國屋全店で取扱

<栄養・効能>

  • 大きくて、水分が多いためか、一般栄養成分は普通のなすの方が多い。
  • なすは体を冷やす効果があり、夏を乗り切るためによい野菜。皮の色素のナスニンはアントシアンの一種で、抗酸化作用がある。

<基本調理法・料理例>

  • 萩たまげなすは果肉が非常にやわらかく、皮もむきやすいので焼きなすなどに適している。
  • なすは熱帯原産のため、寒さに弱く冷蔵すると硬くなり、冷風があたるとしなびやすくなる。保存温度が5℃以下になると低温障害をおこす。
  • アントシアン色素は100℃以下の加熱では変色や退色しやすいが、130℃以上の高温では色素が安定し、きれいな紫色を呈するため、高温で調理するとよい。

試食はしょうがが効いた煮ものとオーブン焼き。「焼きなす」案も出ましたが、人数分を作るには火と時間が足らず、断念。
▼挽肉との煮もの
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  • 萩たまげなす 1kg
  • 合い挽き肉 300g
  • 生姜 大1片
  • だし 500cc
  • みりん 30cc
  • 濃い口醤油 60cc
  • サラダ油 大2
  1. しょうがはみじん切りとせん切り
  2. 鍋にサラダ油を熱し(1)と合い挽き肉を入れて炒める
  3. 肉の色が変わったら、だし、醤油、みりん、なすを加え、落としぶたして煮る
  4. 仕上がりにしょうがのせん切りを盛る

▼オリーブオイル焼き
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  • 萩たまげなす
  • オリーブ油
  1. 萩たまげなすは輪切り
  2. 両面にオリーブ油を塗る
  3. オーブンで焼き色がつくまで焼いて、塩を振る

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