野菜の学校(1) 新京野菜
テーマが新京野菜なので、まず「新」のつかない「京野菜」とは何か、というお話から始まりました。
「京野菜」には、実は「定義はない」と松重さん。「京都府下で栽培された野菜は京野菜」なのだそうです。
◆◇◇◇◆
私たちが(というか、少なくとも私が)京野菜イコール伝統野菜と優良誤認してしまうのは、京都府が1987年(昭和62年)に定義した「京の伝統野菜」40品目のイメージを、1989年から行政、流通団体、農協等が認定を始め、「京のふるさと産品協会」が認証した「京のブランド産品」21品目が強化しているからでしょう。
これらの京野菜も最初は新しい野菜として京都に入ってきました。それが守り継がれて全国区の「京野菜」になったわけです。
そこで、京都市では未来の京野菜を作り出すために、「産官学が連携」して開発・普及を進めています。
「産」は新京野菜の試験栽培と生産を担当する「新京野菜の会」の石割さんたち、「官」は苗の生産管理と配布、普及啓発を行う京都市、残る「学」は京都大学、京都学園大学で、新京野菜の開発・技術支援を行っているのだそうです。
◆◇◇◇◆
京の伝統野菜と、新京野菜を比べてみると、次のような違いがあります。
- 京の伝統野菜:京都の地で宮廷料理や精進料理等に合うよう、品種改良を重ねて作り出された野菜
- 新京野菜:産学連携のもと、現代の多様な食スタイルに合わせて開発された野菜
新京野菜は品目ごとに多様なコンセプトを想定しています。
- 生理機能性物質(栄養価が高い)
- 省農薬・無農薬で栽培が可能なもの
- 省力作業で栽培可能なもの
- 端境期出荷など、有利販売が可能なもの
- その他、珍しく希少価値の高いもの、景観作物として有用なもの、食糧危機を見据えたものなど。
いま、流通が始まっているのは、ミディサイズのトマト「京てまり」「京あかね」、葉と茎を食べるとうがらし「京唐菜」、春野菜「京ラフラン」など。今回、この中から「京てまり」「京あかね」「京唐菜」がやってきました。
| 固定リンク
「グルメ・クッキング」カテゴリの記事
- こうち食べる通信08(2021.03.15)
- 真室川伝承野菜図鑑~雪国を耕す(2021.02.04)
- SEED VOL.18 (2021.01.28)
- パプリカペースト「アイバル」(2020.08.05)
- ティラミスチョコレート(2020.07.21)
「食」カテゴリの記事
- はじめまして牧野野菜です。(2021.08.02)
- こうち食べる通信08(2021.03.15)
- 真室川伝承野菜図鑑~雪国を耕す(2021.02.04)
- SEED VOL.18 (2021.01.28)
- パプリカペースト「アイバル」(2020.08.05)
「野菜の学校」カテゴリの記事
- 伊吹大根のぬか漬け(2020.06.25)
- 日本の野菜(2020.01.06)
- てるぬまかついち商店の干しいも(2019.06.13)
- 宴の野菜度 銀座「長崎しっぽく浜勝」(2019.02.20)
- 「牧野野菜」の試食(2018.04.15)
「伝統野菜・地方野菜」カテゴリの記事
- はじめまして牧野野菜です。(2021.08.02)
- こうち食べる通信08(2021.03.15)
- 真室川伝承野菜図鑑~雪国を耕す(2021.02.04)
- SEED VOL.18 (2021.01.28)
- 伊吹大根の「ぜいたく煮」(2020.06.30)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント