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2013年7月20日 (土)

野菜の学校(1) 新京野菜

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[野菜の学校]は、日本の伝統野菜・地方野菜を取りあげて4年目。今年度でこのシリーズは終了します。
その第1回目は、野菜の入手しにくい端境期を避けて7月にスタートしました。テーマは、京都で始まっている新しい京野菜を育てあげる試み「新京野菜」です。
として京都からいらしてくださったのは、京都市から産業観光局農林振興室の松重伸明さんと、株式会社嶋石の石割照久さん。

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▲写真は生産者団体として「新京野菜」を推進する石割照久さん

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▲松重伸明さんは、自治体として生産管理、配付、普及啓発を担当

テーマが新京野菜なので、まず「新」のつかない「京野菜」とは何か、というお話から始まりました。
「京野菜」には、実は「定義はない」と松重さん。「京都府下で栽培された野菜は京野菜」なのだそうです。
                 ◆◇◇◇◆
私たちが(というか、少なくとも私が)京野菜イコール伝統野菜と優良誤認してしまうのは、京都府が1987年(昭和62年)に定義した「京の伝統野菜」40品目のイメージを、1989年から行政、流通団体、農協等が認定を始め、「京のふるさと産品協会」が認証した「京のブランド産品」21品目が強化しているからでしょう。
これらの京野菜も最初は新しい野菜として京都に入ってきました。それが守り継がれて全国区の「京野菜」になったわけです。
そこで、京都市では未来の京野菜を作り出すために、「産官学が連携」して開発・普及を進めています。
「産」は新京野菜の試験栽培と生産を担当する「新京野菜の会」の石割さんたち、「官」は苗の生産管理と配布、普及啓発を行う京都市、残る「学」は京都大学、京都学園大学で、新京野菜の開発・技術支援を行っているのだそうです。
                 ◆◇◇◇◆
京の伝統野菜と、新京野菜を比べてみると、次のような違いがあります。
  • 京の伝統野菜:京都の地で宮廷料理や精進料理等に合うよう、品種改良を重ねて作り出された野菜
  • 新京野菜:産学連携のもと、現代の多様な食スタイルに合わせて開発された野菜
新京野菜は品目ごとに多様なコンセプトを想定しています。
  • 生理機能性物質(栄養価が高い)
  • 省農薬・無農薬で栽培が可能なもの
  • 省力作業で栽培可能なもの
  • 端境期出荷など、有利販売が可能なもの
  • その他、珍しく希少価値の高いもの、景観作物として有用なもの、食糧危機を見据えたものなど。
いま、流通が始まっているのは、ミディサイズのトマト「京てまり」「京あかね」、葉と茎を食べるとうがらし「京唐菜」、春野菜「京ラフラン」など。今回、この中から「京てまり」「京あかね」「京唐菜」がやってきました。

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