野菜の学校(12) 丸なすの食べくらべ
「最上伝承野菜」。新庄市本合海(もとあいかい)の畑(はた)地区に100年以上前から伝わる丸なす。北前船→最上川の水運にのって、関西からやってきたとされている。
正倉院文書(750年)に「なすを献上した」という記述があるのでこの頃から栽培されていたことは確かかもしれません。が、古文書に登場するなすとこの大和丸なすの関係は不明。大和伝統野菜のひとつで、賀茂なすの原型とか。
「小布施丸なす」は信州伝統野菜ですが、これはJA中野市の段ボール箱に入って届いた丸なす。「○○(判読できず)大助」と書いてあるのは、品種名かもしれません。伝統野菜ではないようですが、長野でフツーにお焼きに使うなすは丸なすらしい。つまり、こんな姿をしていても、特別ななすではないということなんだね、きっと。
▼食べくらべた印象は…
- 畑なすと大和丸なすは似ていて、長野丸なすはこの2つとはぜんぜん違う
- 畑なすの食感は、きめが細かくてやわらかい。食味は甘く、うまみがある
- 大和丸なすの食感はなめらか。上品な甘みがある
- 長野丸なすの印象は、かたい、皮が残る、渋みがある
のですが、これは加熱時間を同じにしているからでしょう。毎夏取り寄せる「小布施丸なす」もかたいのですが、長い間煮込んでも崩れず、だしをしっかり含んで、なすらしい味がします。どのなすも、使い方で生きてくると思いました。
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