野菜の学校(5) 最上赤にんにく①
[野菜の学校]9月のテーマは山形県最上地方。まわりの皮が赤紫色の「最上赤にんにく」は最上地方で栽培されている在来種で、大粒なのが特徴。以前、入手した「最上赤」は、1片20~25g、1球約120gありました。
■プロフィール
- ネギ科
- 原産地は中央アジア。紀元前3200年には古代エジプトで栽培されていた記録があるほど古い野菜。
- 日本では禅宗で「不許葷酒入山門」とされたように、強壮作用が煩悩(淫欲)を増長すると、仏教の僧侶の間では「ニラ」、「ネギ」、「のびる」、「らっきよう」とともに五葷の一つとして食が禁じられた。漢字表記の「蒜」「大蒜」は漢語に由来する一方、仏教用語の「忍辱(にんにく)」がニンニクの語源となったとされる。
- 『大和本草』では、「悪臭甚だしくとも効能が多いので人家に欠くべからざるもの」と評価された。
- にんにくは種子ができないので品種は少ない。主な品種は、壱州早生、遠州極早生、上海早生、嘉定白、福地ホワイト六片、島にんにくなど。関東以南の暖地系品種と東北の寒地系品種がある。
- 分けつしない球形の「プチにんにく」「一片種にんにく」もあり、ほとんどが中国からの輸入。
- 最上赤にんにくは、戸沢村、真室川、最上町などで主に栽培されており、外皮が赤紫色のためにこの名がある。1球はおよそ100g、鱗片が5、6個、1片が15g程度と普通のにんにく(1片10g)より大粒で、貯蔵性にすぐれ、芽が出にくい。
- 生は辛みが強いが、焼いたり、揚げるとホクホクとした食感になり、甘みが出る。伝統料理に「にんにくごぼう」があり、生のにんにくとみそをすりつぶし、ゆでたごぼうに絡ませたもので、最上地方の夏のスタミナ食、酒のつまみとして好まれている。
■栄養
- エネルギーは134kcal、炭水化物26.3g/100gと野菜にしては多い。
- アリシン、アホエン、スコルジニンなどの有効成分を含んでいる。これらは殺菌効果、免疫力up、ガン予防、抗酸化作用、血行促進、強壮効果などがあり、また、ビタミンB1の働きを強化して、疲労回復に役立つなど様々な働きがある。
- 丸のままのにんにくは臭わないが、刻むなどして細胞が傷つくとアリインと酵素アリイナーゼが出合ってアリシンに変化し、にんにく独特のにおいを発生する。
- にんにくは体に有効だが、たくさん食べると殺菌作用が強く、腸内で善玉菌まで殺してしまう。生にんにくなら1日1片、加熱なら1日2片程度を目安に食べるとよい。
■調理
- 刻む、すりおろすなどで香味野菜として味付けのアクセントに。洋食、中国料理、韓国料理などには欠かせない食材。
- 煮る、揚げる、焼くなど加熱したり、生のまましょうゆやみそなどに漬けてもよい。
- 最近では「黒にんにく」として白いにんにくを一定期間発酵・熟成させたものも流通している。においが少なめで、糖度が高く、甘酸っぱいので「フルーツガーリック」などとも呼ばれる。しっとりとやわらかく、普通のにんにくよりも抗酸化作用が高いといわれる。
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