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2013年10月 8日 (火)

イワテヤマナシの自生地を訪ねる

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宮沢賢治の詩や童話に出てくる「ヤマナシ」というナシは、絶滅危惧種に指定されている「イワテヤマナシ」のこと、とされています。
このイワテヤマナシへの理解を深め、栽培と普及の可能性を探ることを目的として、神戸大学大学院農学研究科の片山寛則先生が主宰する「イワテヤマナシ研究会」という集まりがあります。その第4回研究会「イワテヤマナシの自生地を訪ねる」に参加しました。
自生するイワテヤマナシは、本州で最も寒いといわれる岩手県の早坂高原で複数確認されています。早坂高原は、岩泉町の西、盛岡市との堺にあり、北上山地の斜面に広がるなだらかな平原です。ブナの多い広葉樹林で、高地性植物の宝庫、県立自然公園に指定されています。
 
▼盛岡からクルマで約1時間、霧のなかの早坂高原

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▼自生しているイワテヤマナシの木
▽まわりに高い木がないところがよい

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白樺やブナは樹間競争に強く、光を求める他の植物が育たなくなるのだそうです。ナシも光を好みますが、白樺やブナには負けてしまう。
 
▽小さな空き地を囲むように、林の縁に立っている。
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林の縁、道路や空き地のそばは光が入るので、イワテヤマナシも生きていけます。向こうの草原は牧場。
 
▽地面にはたくさんの実が落ちている
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▽人家のそばにあるイワテヤマナシ
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「自生しているというよりは、人が守ってきた木でしょう」と片山先生。でも「これは、いちばん切られやすい大きさと場所」なのだそうです。これまで実を食べたり木に登って遊んだりした人が高齢になり、次の世代はイワテヤマナシへの親しみがない。じゃまになって切ってしまうというのです。こんなに大きくなった木が失われるのは、残念です。

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