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2013年10月 9日 (水)

イワテヤマナシの標準木

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第4回イワテヤマナシ研究会は、自生しているイワテヤマナシを見る催しでした。岩手県早坂高原の紅葉を楽しみながら片山寛則先生について歩いて行くと、先生が立ち止まったところに、細く白い枝を広げている枯れ木のような木がスッと立っていました。
「この木を、イワテヤマナシの標準となる木、“標準木”にしてはどうか、と研究者間で話しているんです」と片山先生。

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なぜ標準木かというと、中国からやってきたイワテヤマナシのオリジナルにとてもよく似ているのだそうです。
先生によると、イワテヤマナシのオリジナルは、中国黒竜江省とロシアの国境に流れるユスリー(ウスリー)川流域にたくさん生えています。そこで、‘Pyrus ussuriensis’(ピルス・ユスリエンシス)という学名がつけられました。緯度的には早坂高原よりもちょっと北、札幌のあたりです。そのピルス・ユスリエンシスの特長がよく現れているのが、早坂高原にある「標準木」とされる木なのです。葉が落ちて枯れているように見えますが、枯れているわけではなく、実もところどころについていて、細い枝や樹形などふつうのナシとはまったく違います。
 
木のまわりに宇宙があり、そこから目を離すことができません。「白のガンダルフ」のようです。いつまでも見ていたかった。
 

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