八百屋塾 (5) まだまだだいこん
地だいこんについて、佐々木寿先生は『東北ダイコン風土誌』でこう書いています。
わが国で安住の地を得たダイコンは長い年月をかけて各地の風土と、栽培農民の知恵と技術に育まれて、その地方独特のダイコンが成立した、いまでは、このような品種群を「在来種ダイコン」、もしくは「地ダイコン」と読んで、その名称には土地の名前がつけられていることが多い。
『東北ダイコン風土誌』によると、地だいこんは全国にありますが、今回やってきたのは長野。
- 近江の伊吹大根が信州に土着したものと思われる。
- 元来は中国の北支系のだいこん。
- 「かただいこん」ともいわれる。肉質はかたく、でんぷん含量が多く、貯蔵性が高い。
- 耐寒性が強く作り易い。特に冷涼な気候を好み、高地(海抜500m-700m)にも向く。
- 長さは25cmほど、青首で尻部が少々太る。
- 漬物にする。
- 飯田地方産。激辛の小型だいこん。根はやや扁平な球形で、根重200-300g。色は白と赤。
- 肉質は緻密で硬く、だいこん特有の生臭さがない。皮ごとおろしにするとわさびと同等に辛い。
- かつては小魚、かつおぶしを添えて「おろし」として食されることが多かったが、一般に流通するようになってからは、もっぱらそばの薬味にされる。
- 下條村に残る資料によれば、正徳年間(1711-1716)に盛んに栽培されていたとされるが、来歴は不明。江戸時代に尾張にあった「辛味だいこん」に似るとされ、起源は江戸時代中期ごろとも考えられる。
- 原種は他地域では手に入らない。
- 選抜して育成された「とやねがらみ」と「ごくらくがらみ」がF1品種登録されている。
- 坂城町の中之条
- 葉はしゅんぎくに似た細い切れ葉。根は短形で下ぶくれし尻つまりがよく、ネズミに似ている。ただし、「ねずみ大根」という名のだいこんは何種類かあるので要注意。
- 江戸時代に薬用として長崎から導入されたと伝えられている。
- 肉質は緻密で硬く粉質性。辛みの中に適度な甘みがあり、これを「あまもっくら」という。
- すりおろしただいこんの絞り汁を付け汁として「おしぼりうどん・そば」に使われる。また、おやきの具や長期保存の漬けものにも。
- 選抜して育成された「からねずみ」としてF1品種登録されている
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