野菜の学校(10) こんにゃく
以下は配付資料から
<プロフィール>
- こんにゃくいもはサトイモ科コンニャク属。原産地はインド又は、インドシナ半島とされる。
- 日本に伝来したのは縄文時代、里芋といっしょにという説や、仏教との関係で大陸から導入されたという説もある。
- 平安、鎌倉時代には食用したという記録があり、室町時代になると、都の路上でこんにゃくを売ったり、精進料理にも使われるようになったらしい。一般に食べられるようになったのは、江戸時代。水戸藩の中島藤衛門によって、荒粉、製粉加工法が開発されてからといわれている。
- 明治時代の初め頃より、日常的に食べられるようになった。大正時代に海藻の粉を混ぜてこんにゃくを作る方法が考案され、現在食べられている形状が定着した。
- 群馬県のこんにゃく作りは、室町時代(1505年頃)に南牧村の茂木正峯が西国巡遊の際、紀州(和歌山県)から移入したのが始まりとされている。南牧村の南面傾斜地に自然生として栽培され、後に種いも貯蔵技術の発達とともに、植玉栽培へと替った。
- 現在では群馬県の西毛や北毛の一部地方が主な産地で、全国の約9割を栽培している。
- 草の形はT字状で、小葉が大きく、葉柄の斑紋は小さくて散在している。球茎はやや扁平状で表面は条溝が多く、生子(きごーこんにゃくいもの赤ちゃんのようなもの)の形はやや長めの球状。成熟は早生で、球茎の品質がよく、生芋からの製粉歩留が高い。
▽こんにゃくの製法(例)
- こんにゃくいもをすりおろし、水を加えて撹拌する。加熱し、粘りが出てきたら30分ほど放置する。→膨張して容積が大きくなり、粘度の高いコロイド状態になる。
- 灰汁や水酸化カルシウムなどのアルカリを加えて撹拌、のり状になったら容器に入れて20分ほどおく。
- 切り分け、30分ほどゆでてあく抜きをする。水にさらす。→凝固して半透明の弾力のある塊になる。
<栄養・機能性>
- エネルギー5kcal、水分97.3g、食物繊維2.2g(板こんにゃく)。主成分のグルコマンナンはヒトの消化管ではほとんど消化されず、腸内の微生物によって一部利用される程度のため、カロリーが低く、ダイエット食として多く用いられている。
- ローカロリーで、「お腹の砂おろし」と昔から言われているように、食物繊維を豊富に含んでいるため、腸の働きを活発にして、体内の余分なものを排出しやすくする。
- <調理>
- こんにゃくいもはシュウ酸カルシウムを含むため、生やただ加熱しただけでは食べられない。また、素手で扱うとかゆくなるので、こんにゃくを作る時はゴム手袋などが必要。
- エグ味が強いため、ゆでるなどのあく抜きをしてから調理に用いる。
- 刺し身用、板、糸こんにゃくの他、こんにゃくゼリーやこんにゃく米、麺なども作られている。
在来種は栽培に2~3年かかり製品化するまでに4年くらいかかりますが、改良種は2年で出荷できます。改良種はだいこんを切るときのようにスッと包丁が入りますがが、在来種はでんぷん質が多く、なかなか包丁が入らないそうです。
ダイエット食=こんにゃくの加工品はいろいろ出ていますが、この麺は特に「外国の人に人気がある」と講師の田村善男さん。
時間がたってものびずにコシがあります。けっこうおいしい。
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