野菜の学校(3) 下植木ねぎ
- 1798年(といいますからいまから200年以上前)に、伊勢崎藩家老の関重嶷(しげたか)が著した『伊勢崎風土記』には「最も美味なるねぎ」と書かれている。1857年11月(ということは150年以上前)に書かれた、「冬ねぎ送り状」によると、下植木村に住んでいた伊勢崎藩士、長尾景範は江戸の子どもに、1表350本入りのねぎを2表、まこもに包んで送った。ということは、200年以上前からずっと作られ続けているということ。
- 伊勢崎の織物業の盛衰との関連が深い。江戸時代、文化・文政(1804~1829)頃には、全国各地に得意先をもつようになり、「下植木ねぎ」は贈答品として用いられた。
- 伊勢崎の織物は、第2次世界大戦後から昭和30(1955)年代まで「女性の10人に1人は伊勢崎銘仙をもっていた」といわれるほどのブームとなり、贈答品も年々増えて、下植木ねぎの出荷量もピーク。地域の特産物として伊勢崎銘仙の人気とともに広がり、「お歳暮ねぎ」と呼ばれるようになった。
- ファッションが西洋化するとともに伊勢崎銘仙の需要は減り、下植木ねぎの出荷量も減少。「お歳暮ねぎ」という呼称を知る人も少なくなった。
- 外観は下仁田ねぎに似ている。葉は扇状に広がり、白い部分が約20㎝、葉は50㎝前後とやや大きめ。根の部分の膨らみが大きいのが特徴。
- 葉身部も加熱するとトロリと甘味を増す。
- 病気に弱く、栽培が非常にむずかしいことから、作付面積は年々減少している。
- 現在の栽培農家は10人程度。あまり市場に出回らないため、「幻のねぎ」とも呼ばれている。
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