野菜の学校(6) 国府白菜
<プロフィール>
- アブラナ科アブラナ属
- 原産地は中国北部。当初はカブと菜類の交雑による雑種として誕生し、現在のような形になったのは11世紀ごろといわれている。英名を“Chinese Cabbage”といい、東洋の代表的な野菜。
- 結球タイプ、半結球タイプ、非結球タイプに大別される。日本で流通しているのはほとんど結球タイプ。漬物として普及したが、近年では家庭で作らなくなったため、生産は減少している。
- 渡来当初は採種が難しく、あまり普及しなかったが、日清日露戦争において日本兵が旧満州から大きく結球したおいしい白菜を持ち帰り、沼倉吉兵衛が導入に成功。松島湾内の馬放島で隔離栽培したのが日本の白菜の原型の一つ「宮城県の松島白菜」。全国に広まるきっかけとなった。
[国府白菜]
- 高崎市国府地区で生産され、収穫時期は11月中旬以降。
- 国府地域は、榛名山の噴火による火山灰の堆積でできた肥沃な土地。砂と粘土がほどよく混ざり合って、水分や空気を蓄えて軟らかさがあり、特に野菜づくりに適している。同じ品種でも、この地域でしか国府白菜の食味や甘さを得られないといわれる。
- 肉厚で柔らかく、甘みがある。「他の白菜を調理するときと同量のみりんや砂糖を使うと甘すぎてしまう」という声が聞かれるほど、糖度が高いといわれる。
- 明治39(1906)年、前橋の金子種苗店で初めて輸入種子を買い、栽培されたのが最初という。本格的に栽培されるようになったのは、昭和に入ってから。
- 昭和50(1975)年代中ごろまでは、多くが東京市場に出荷されていたが、現在は、地元市場、直売所を中心に出荷。
<栄養・機能性>
- エネルギー14kcal、水分95.2g、カリウム220mg、ビタミンC19mg、食物繊維1.3g/100gを含む。
- エネルギーが低く、淡白な味わいのため、いろいろな食材や味つけに合わせることができる。霜が降りる頃になると、さらに甘みが増す。
<調 理>
- 加熱して煮物、おひたし、あえ物、炒め物、鍋の具材に。
- 生で漬物やキムチはもちろん、シャキシャキした歯ごたえを生かしてサラダやあえ物にしてもおいしい。
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コメント
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
投稿: 初めての株 | 2014年1月 6日 (月) 11時42分