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2013年12月 4日 (水)

御所柿がいっぱい

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大きな新品種「太天」が紹介された、果樹研究所の「フルーツセミナー」。会場には「平核無」や「富有」「次郎」などなじみのある柿のほか、「御所柿」も9種類!ずらりラインナップ。試食タイムに味見することができました。

「御所柿」は甘柿のルーツとされるだけあって、「○○御所」という柿はたくさんがあります。今回やってきたのは由緒正しい子たちでしょうけれど、必ずしも血縁関係のあるものだけでなく、おいしい柿なら「御所」をつけたケースがあっても不思議ではありません。なにしろ各地に「○○銀座」とか「○○富士」がある国ですから。
 
▽以下、展示情報
▼御所

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  • 原産:奈良県
  • 1684年に「雍州府志」という文献に記載、最も古い文献に現れる、完全甘柿
  • 正岡子規はこの柿を食べて「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」を詠んだとされる
  • 後代品種:なし
 
▼裂(はぜ)御所

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  • 原産:奈良県
  • 別名:善之助、袋御所
  • 交配母本として用いられてきた
  • 後代品種:新秋、甘秋など
 
▼花御所

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  • 原産:鳥取県
  • 別名:五郎助柿
  • 奈良の御所柿を持ち帰って接ぎ木したのが起源とされる
  • 交配母本として用いられてきた
  • 後代品種:太秋、早秋、新秋、甘秋、貴秋、太天、太月など
 
▼晩(おく)御所

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  • 原産:岐阜県
  • 静岡の苗木業者から購入していた富有の苗木に混じっていたとされる
  • 交配母本として用いられてきた
  • 後代品種:太秋、早秋、新秋、貴秋、太天、太月など
 
▼大和御所

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  • 原産:奈良県または兵庫県
  • 由来は明らかではない
  • これまで交配親にあまり用いられてこなかった
  • 近年、交配利用を進めている
▽以下、ネット情報 ※展示されていた柿には呼称のみ表示
▼天神御所

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岐阜県本巣郡薦田村仏生寺字天神の鵜飼戎吉氏邸内にあったので、「天神御所」と呼ばれる(と思う)。明治30(1897)年頃、皇太子(のちの大正天皇)が岐阜県下においでになったときにこの柿を献上したことで世に知られる
 
▼水御所

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岐阜で生まれ、「富有」として脚光を浴びた「居倉御所」の別名という
 
▼鷺山御所

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岐阜市には、標高68mの「鷺山」と呼ばれる丘があり、平安末期から戦国時代にかけての城趾が残されている。この一帯の地名を「鷺山」というので、このあたりにある甘柿かも?
 
▼大御所

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神戸、姫路から瀬戸内海沿岸で栽培されていた、「御所柿」の枝変わり?
 
 
▽以下、展示情報
▼富有

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  • 原産:岐阜県
  • 別名:居倉御所
  • 岐阜県主催の柿展示会に「富有」の名前で出品、一等賞受賞。その後、各種品評会で注目、全国に普及
  • 後代品種:太秋、早秋、伊豆、太天、太月など
 
▼次郎

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  • 原産:静岡県
  • 弘化年間(19世紀中ごろ)に松本治郎吉が発見したとされる
  • 枝変わり品種:前川次郎、一木系次郎など
  • 後代品種:陽豊、太秋、太天、次郎など
  •  
▼平核無

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  • 原産:新潟県
  • 不完全渋柿
  • 脱渋容易
  • 別名:八珍、おけさ柿
  • 9倍体(柿は通常6倍体)のタネなし品種
  • 枝変わり品種:刀根早生、中谷早生等
 

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