野菜の学校(5) 北海道野菜 札幌大球
それにしても、なぜこんなに大きくしたのか----。「札幌大球」はこれだけの大きさがあっても、葉の数は普通サイズのキャベツと同じで約70枚。ということは葉が厚い。その上大きいので、内部が凍結から守られる。厚い葉は「にしん漬け」にぴったりで冬場の貴重なビタミン源になった、というわけです。
▼以下はキャベツに関する資料から
<プロフィール>
- アブラナ科アブラナ属。
- ヨーロッパ地中海、大西洋沿岸が原産。もとはケールのような非結球タイプで、ケルト人がヨーロッパ各地に広め、花を食べるブロッコリー、カリフラワー、わき芽を食べる芽キャベツ等に分化し、現在のような結球型のキャベツが生まれた。
- 日本にキャベツが渡来したのは、江戸時代末期。外国人居留地向けに栽培されていたが、明治から大正時代にかけて「とんかつ」が流行するにつれ、普及した。
- 食用としてのキャベツ栽培は北海道が始まりで、明治初期(1860年代後半)に北海道開拓使がアメリカから種子を導入して、札幌官園などで試作した後、北から南に広まった。
- 冬系キャベツと春系キャベツに大別される。冬系は寒玉と呼ばれ、扁平な形で内部は白く、硬く、巻きがしっかりしているのが特徴。春系は春玉と呼ばれ、丸い形で内部まで黄緑色、巻きがゆるやかで柔らかいのが特徴。
[札幌大球(だいきゅう、たいきゅう)]
- 「札幌大球」は、芦澤正和監修『地方野菜大全』(農文協)によると「レート・フラット・ダッチ」に「アーリーサマー」「バンダゴー」を交配し、土着馴化したもの。また、別の資料(札幌黄ブランド化推進協議会)によると、1895年ごろに米国ヘンダーソン社から導入された「アーリーサマー」から、大きくて日持ちのよいものが選抜育成されたもの。
- 1902年頃からカタログに「札幌甘藍」の名で、その後「札幌大玉」、昭和初期には「札幌大球」と記載された。
- 晩生で生育に155日前後かかる。耐暑性、耐湿性はあまり強くなく、乾燥にもやや弱いが、草勢が強く、扁円で1球8~13kgの大玉で多収。
- 葉面のろう質が多く、肉質が軟らかく甘みが強い。生食用、漬けもの用、煮ものにも広く使われるが、特に冬季の重要な保存食であるニシン漬けの材料として重用され、「漬けものキャベツ」ともいわれる。家庭用には大きすぎ、芯が太いので、カットして生食するにはあまり向いていない。
<栄養・効能>
- 水分 92.7%、エネルギー23kcal、ビタミンC 41mg/100g。
- 炭水化物5.2g(糖質3.4g、食物繊維1.8g)を含む。果糖、ぶどう糖、ショ糖などを含み、甘みがあることから、別名「甘藍」(かんらん)とも呼ぶ。
- 胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの胃腸障害に有効な「ビタミンU」を含んでいる。ビタミンUは胃腸の粘膜組織を作り、こわれた組織を修復、粘膜細胞への血流を促進し、胃酸を調節する。また、肝臓の機能を高めて脂肪肝を防ぐ、がんや動脈硬化の予防、腸壁を修復するたんぱく質の合成を促進する。
- ビタミンUはキャベツから発見された成分で、「キャベジン」という。加熱に弱く、水に溶けやすいので、効果を期待するならば生食か、煮汁ごと利用できる料理がよい。
<基本調理法・料理例>
- 生食としてサラダや漬けものの他、煮る、焼く、炒めるなど利用範囲が広い。
- 春キャベツは巻きがゆるく、水分が多く、肉厚でやわらかいので、生食に向く。
- 冬キャベツは巻きが硬く、加熱しても煮くずれしにくいので、煮もの、炒めものにすると甘みが出ておいしい。スープ、煮込みに向く。
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