宴の野菜度 滋賀県長浜市余呉町「徳山鮓」
◇名前は「徳山鮓(とくやますし)」ですが、お寿司屋さんではありません。「鮓」は琵琶湖名産「ふなずし」に代表される、なれずしのこと。
名前になれずしの「鮓」がついていますが、いただいたお料理のメインは熊肉と山椒の「熊鍋」。その前にさまざまな山菜と稚あゆのてんぷらをいただき、なれずしそのものは2種類、その一部を使ったり、なれずしを漬けたお米を使った料理が登場しました。
この夜いただいた味はこの地の自然の表現であり、発酵が通奏低音となって全体を響かせています。だから「鮓」なのでしょう。
窓の外はたそがれていく余呉湖。
上にのっているグリーンはわさびの葉
チーズ(カチョカヴァロ)とトマト
▼てんぷら
黒こしょうの塩漬け、あさつき、えごま
ソースの「飯」はなれずしを漬けて発酵したお米のこと。
▼フナずし
はちみつをかけ、昆布がのっています。
薄くスライスした熊肉は赤身よりも真っ白な脂身が多く、最初見たときは、(てんぷらをあれこれいただいた後でしたし)、とても食べられそうもないと思いましたが、意外にペロリと完食しました。
おつゆは昆布だしとしょうゆだけ。熊肉を入れると白い脂身がチリチリと縮んでいきます。アクは出ませんし、おつゆがいつまでも濁らない。もちろん獣くささもありません。軽くて豊かな、不思議なおいしさのお肉でした。
▼飯のアイスクリーム
◇登場したなれずしは、子持ちフナとサバ、その頭を刻んだもの。それに、なれずしを漬けたときの発酵したお米「飯(いい)」を使ったソース、アイスクリーム…と、なれずしのチカラがいろいろな形で表現されていました。
◇以上、野菜も多かったけれど、さまざまな食材の料理を楽しんだので野菜度は★★★
◇琵琶湖のまわりで漬けられているなれずしの魚は、フナだけではありません。滋賀の食事文化研究会が調査したところによると、次のような魚が使われています。(『ふなずしの謎』から引用)
- 子持ちブナ 61.3%
- その他のフナ 15.7%
- サバ 8.5%
- ハス 5.8%
- オイカワ5.4%
- ウグイ 1.8%
- モロコ 0.5%
- アユ 0.5%
- ワタカ 0.5%
滋賀の食事文化研究会編
サンライズ出版
滋賀県長浜市余呉町川並14080749-86-4045
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