野菜の学校(7)じゅうねん
ちなみに、「じゃんがら念仏踊り」は、江戸時代に始まったという踊り念仏で、鉦、太鼓を打ち鳴らしながら新盆を迎えた家などを供養して回る郷土芸能として知られています。市内の町内ごと、集落ごとにその地区独特の形態で伝承されており、踊るグループは100を数えるといいます。歌詞もさまざまですが、その中のひとつに「盆では米の飯 おつけでは茄子汁 十六ささげのよごしはどうだい」という一節があります。
※YouTubeに投稿されているたくさんの踊るグループのうち「小名浜じゃんがら踊友会」は、この歌詞を歌いながら踊っています。
<プロフィール>
- シソ科の一年草。
- 東南アジア原産。日本では縄文時代から食べられてきたといわれる。
- 三和町、田人町、大久町大久地区が産地。三和や田人地区では「ごまは作らない」という習わしがあり、そのかわりにえごまが栽培されたらしい。また、「えごまは山で、ごまは里で」ということわざもあり、標高が高いため、ごま栽培に適さないためともいわれる。
- 東北地方などでは「ジュウネン」「ジュウネ」などと呼ばれる。これは、「10年経っても、蒔けば芽を出す」、えごまを食べると「10年長生きする」「10年若返る」といったことかららしい。このほかえごまは「イ、イゴマ、エグサ」「シロジソ」「オオエノミ」「アブラエ」など、地方によってさまざまな呼び方がある。
- 食用、油をとるために、日本ではごまよりも古くから作られてきた。菜種油が普及する前は、えごま油が一般的であり、油紙、雨傘、提灯などの塗布油としても用いられていた。
【白種子と黒種子】
- 白種子のほうが栽培は古いようで、明治時代以前とされる。
- 黒種子は白種子より含油量が多く、たんぱく質が少ない。研究報告によると、福島県産えごまは、脂質:黒種子46.4%、白種子は40.7%、たんぱく質:黒種子23.9%、白種子25.1%。α-リノレン酸含有量は韓国産のものに比べると高い(郡山女子大学:広井勝教授)
- えごまの香りはペリラケトン。特有の香りで、好き嫌いがある。
<基本調理法・料理例>
- えごまは葉、種実を食用にする。ごまよりも表皮がやわらかいため、つぶれやすく、すりつぶして使う料理も多い。
- 焙煎すると独特の香ばしい風味が出る。180℃で5分間加熱する焙煎方法が、色や風味がよく、機能性成分の消失が少ないとの報告がある。
- 種実はごまと同様にすりつぶし、えごまあえにしたり、クッキーやパンに。実をすりつぶしてみそを加えた「じゅうねんみそ」や、おはぎのきな粉の代わりにまぶした「じゅうねんぼたもち」、五平もちに似た「しんごろう」という伝統食もある。
- えごまの葉はしょうゆやとうがらし粉を加えて漬けておくと、えごまのキムチとして保存できる。
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