野菜の学校(2) ごうしゅいも-徳島の伝統野菜
以下、配付資料から
■ごうしゅいも
- 産地は平家の落人伝説が残る徳島県三好市東祖谷地区で1860年頃から栽培され、自家消費されてきた。
- 男爵いもの半分程度の収量しかなく、病気にも弱い。標高の高い、やせた畑が栽培に適しており、普通の畑で栽培しても、歯ごたえのないいもになるという。
- 小型で栗に近いというわれるほど味が濃く、煮崩れしにくい。皮が白と赤があるので、「源平いも」の名で商品化されている。※赤いほうが収量が少ないという話も聞いたが、私たちがうかがった田中博幸さんによると「赤白、どちらも同じ。ただし近くに植えると交雑する」とのこと。
- おでん、カレーなどの煮物や、「でこまわし」と呼ばれる田楽に使われる。
■じゃがいも(ばれいしょ)
<プロフィール>
- ナス科ナス属
- アンデス原産で、インカの重要な食用作物だった。15世紀末の新大陸発見以降、ヨーロッパに伝わった。当初は地中に埋まっている「悪魔の食べ物」として敬遠されていたが、寒冷地でも栽培でき、生育期間も2~3ヶ月と短く、収穫量も多いために広まった。さらに19世紀前半には肉やバターなどの乳製品の消費が増え、いっしょに料理するとおいしくなることから、価値が認められた。
- 日本には16世紀末、オランダ人によってジャワ島(インドネシア)のジャガトラから長崎に伝えられた。ジャガトラがなまって「ジャガタライモ」「じゃがいも」と呼ばれるようになった。
- また、「馬鈴薯」ともよばれる。馬鈴薯とは中国では「マーリンスゥ」というマメ科のホドイモを指すが、1808年に学者の小野蘭山が、「馬鈴薯がじゃがいもである」と誤って解説してから、じゃがいものことを馬鈴薯と呼ぶようになった。
- 用途によって、一般的に家庭やレストランで消費される男爵、メークイン、キタアカリ、デジマなどの「生食用」、ポテトチップスなどに利用されるトヨシロ、ホッカイコガネなどの「加工用」、片栗粉や麺類の原料に利用されるコナフブキなどの「でん粉原料用」に大別される。
- ホクホクした粉質系の男爵、煮くずれしにくい粘質系のメークインという2大品種に加え、近年では皮の色や肉色が赤色、紫色、茶色、まだらないもなど消費者のニーズに合わせたさまざまな品種が増えている。
<栄養・機能性>
- 水分が約80%あるため、76kcal/100gとエネルギーは低め。でんぷん、ビタミンB1、カリウム、ビタミンCが多い。じゃがいものビタミンCは炭水化物に包まれているため、加熱しても壊れにくい特性がある。
- じゃがいもの芽にはソラニン、チャコニンなどのポテトグリコアルカロイド(PGA)という有毒成分があり、一定量以上を食べると嘔吐、腹痛、頭痛、下痢、発熱などの症状を引き起こす。
- PGAはイモの皮層部に多く、肉部では少ない。外側の周皮にイモ全体の約9割を含んでいるので、料理時の皮むきでほとんどが除かれる。
- 光に当たった表面にはクロロフィルが生成されるだけでなく、PGAも表皮近くに生成され、苦味、えぐみがでる。PGAは熱に強く、加熱してもほとんど分解されないが、水溶性のため、水でさらしたり、ゆでこぼすと、ある程度は流出する。
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