野菜の学校(4) 阿波伝統野菜研究会
- 阿波伝統野菜研究会は2010(平成22)年に設立。その後の活動のなかで、地域に伝えられてきた在来の野菜を「伝統野菜」として産業化するむずかしさに直面している。
- 徳島県立城西高校が行っている地域伝統野菜復活研究の過程で「美馬太きゅうり」が発見され、地元小学校では2010年から栽培しているなど、学校教育と連携した展開に可能性が見いだせる。
- 「よその土地ではなにかが起きる」
伝統野菜は、資源のある地域以外で作るべきではない。他の地域で栽培すると良さが失われてしまう。その例として、きゅうりとじゃがいもが挙げられる。- 那賀系きゅうりを平野部で栽培すると、ほとんどすべての実の首から全体の約3分の1が苦くなった。
- ごうしゅいもは平地で栽培すると普通サイズのジャガイモになってしまった。
- 立石一氏による書籍「阿波型農業物語」のなかで語られている徳島の農業の歴史と県民気質から、徳島に伝統野菜が少なくなった理由を、佐藤先生は次のように解釈している。
- 藍という換金作物が農業の中心となり、もうけるための農業を実践してきた。
- もうけるために、新しいことにチャレンジ。新品種や新作物もためらわず導入。
- そろいが悪い、収量が少ないなどの品種はどんどん新品種に切り替えが進んだ。
- 農業の盛んなところ(平野部)では伝統野菜は残らなかった。
- 調査研究・発掘のなかで、次の点をしっかりと検討する必要がある。
- 資源のある場所を動かしていいか。どれくらいの範囲まで容認できるか。
- 種苗を販売していないので、種の保存と種苗の供給をどのように行うか。
- 伝統野菜は、地域の気候風土になじみながら、食文化とともに存在してきた。その掘り起こしとその後の展開は、息の長い活動になる。
- 地域独自の食文化は、観光の楽しみ「食べる」の一部を担うことができる。食材と食文化を観光資源として魅力を高めるなど、他分野の行政と連携して取り組むことで、伝統野菜の展望は開けるだろう。
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