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2014年10月 9日 (木)

野菜の学校(4) 二子(ふたご)いも

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[野菜の学校]の伝統野菜・地方野菜講座、10月は岩手の伝統野菜がテーマです。「二子いも」というさといもは、北上市の北部、北上川流域で多く作られてきました。1909年(明治42年)の調査資料には、「米に次ぐ生産高を誇った」とあります。

▽二子いもの株
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「芋の子まつり」に行ったスタッフが、なぜかいただき、新幹線のなか、抱えて持って帰った。

▽左はふつうサイズのいも、右は「ずぼいも」と呼ばれる孫いも
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◆二子いも
  • 北上市が主な産地。
  • さといもには青茎、赤茎があるが、二子いもは赤茎種で、もちもち感のある柔らかさ、粘りが強く、口の中でとろける食感が特徴。柔らかいのに煮くずれしにくい。
  • 中秋の名月ごろになると、「いもの子汁」を食べるが、二子いもの「いもの子汁」はいものおいしさを味わうために、にんじん、ごぼうを使わずに作られる。また、煮しめ、煮っころがしにする。孫いも(小さいいも)は、ゆでて皮をむいたものを「ずぼいも」といい、大根おろしであえたり、かつお節しょうゆであえてから唐揚げにして串刺し風にする。
  • ゆでたいもをつぶして米粉とこね、いもだんごにしてゆでて、ごまだれ、くるみみそだれをかけたりして、おやつにもする。
◆さといも
<プロフィール>
  • サトイモ科サトイモ属
  • インド東部からインドシナ半島の原産。日本へは稲作栽培よりも早く伝来したといわれる。山に自生するやまのいもに対し、里で栽培されるため「さといも」と呼ばれた。
  • 里芋は親芋に子芋、孫芋がつくことから、子孫繁栄の象徴としておせち料理などによく使われる。
  • 「いもの子を洗うよう」と混み合う状態を表現するが、昔は桶の中にいもを入れて棒でかき回しながら洗ったことに由来している。
  • 「土垂れ」は子いも用の品種(親芋は食用にむかず、子芋を利用する)。楕円形で粘りがあり、千葉、関東で多く生産、消費される。肉質がねっとりとしていて、柔らかく、煮くずれしにくいのが特徴。
<栄養・効能>
  • エネルギー58kcal、たんぱく質1.5g、カリウム640mg、ビタミンB10.07mg、食物繊維2.3g/100gを含む。いも類の中では低カロリー。
  • さといものヌメリはタンパク質と糖質が結合したガラクタンやムチンなどで、ガラクタンは血圧を下げ、血中コレステロールを下げる効果がある。またムチンは胃や腸などの粘膜を保護し、肝臓や腎臓の機能を高める働きもある。
<基本調理法・料理例>
  • ゆでる、煮る、揚げる、蒸すなど加熱して食べる。
  • 塩でもんだり、熱湯や米のとぎ汁などでゆでてヌメリをとって含め煮にしたり、ヌメリを生かしてツルンと煮る煮っころがしなどが伝統的な料理。
  • さといものシュウ酸カルシウムは針のような結晶で、これが皮膚に触るとチクチクしたり、かゆくなる。洗った後はしっかり水気をとってから皮をむくと、肌につきにくい。
 

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