« 野菜の学校(6) 地うり | トップページ | 野菜の学校(8) イワテヤマナシ »

2014年10月12日 (日)

野菜の学校(7) 雑穀

2

[野菜の学校]の伝統野菜・地方野菜講座、10月のテーマは岩手の伝統野菜。岩手は雑穀生産日本一という、雑穀文化の地です。[野菜の学校]には、「はとむぎ」と「あわ」がやってきました。△写真は「あわ」

▼以下、配付資料から
<雑穀のプロフィール>
  • 食品成分表には穀類138食品が掲載されており、一般的に、雑穀とは穀類のうち、米、小麦、大麦を除いたものをいう。
  • 日本雑穀協会では、農学的学問分野から見た雑穀の定義を尊重しつつ、雑穀と呼ぶ穀物の対象範囲を広げ、「日本人が主食以外に利用している穀物の総称」と定義している。日本人の主食の米以外の、キビ、アワ、ヒエ、モロコシ、ハトムギ、オオムギなどイネ科作物の他、ソバ、アマランサス、キノア、ゴマに加え、ダイズやアズキなどのマメ類、また、ふだん食される機会の少ない玄米や発芽玄米も雑穀に含めている。
  • 日本では紀元前3000年以前より栽培され、「古事記」にも、稲・粟・麦・小豆・大豆を“五穀”と記され、古くから日本人の食生活と密接に関わってきた。
  • ここ100年間で栽培面積は1000分の1となり、生産量は少ないが、一部の地域で生産、加工されている。現在流通している雑穀の90%以上は輸入品。国産品として岩手県は雑穀の生産量日本一。
◇世界中で雑穀が受け継がれてきた主な理由(日本雑穀協会より)
  1. 土壌や気候条件などが不良な土地でもよく生育し、収量は少ないが安定した収穫が得られる。
  2. 長期保存できるため、不作の年の救荒作物として必要。
  3. 製粉、挽き割り、穀粒のままの調理、酒造りの原料など、多様な利用法が確立されている。
  4. 高い栄養価と機能性を有し、さまざまな地域で疲労回復や薬用にも利用されてきた。
  5. モチ種、ウルチ種のものがあり、農耕儀礼やハレの日に餅や地酒として、雑穀独自の食味と風味が親しまれた。 
 
[ハトムギ] 
3
  • イネ科、ジュズダマ属
  • 川辺で見かける多年生植物「ジュズダマ」の変種とされる。起源は東南アジアで、日本には江戸時代に中国から薬用として渡来。中国では古くから漢方薬や滋養強壮食として重んじられ、日本でも薬用、食用、健康茶用などに小規模に栽培されてきた。漢方の生薬名は「ヨクイニン」で、美肌効果、新陳代謝の促進、利尿作用、解毒作用がある。
  • 雑穀の中でも独特の粉っぽさがあり、硬めの噛みごたえで、素朴な雑穀らしさがある。精白した丸粒状のものが多く流通しているが、挽き割りされた状態のものもある。
  • 精白米に比べて粒が大きく硬いので、いっしょに炊くより別に炊いて合わせたほうがよい。たっぷりの水に3~4時間ほど浸けてざるにあげ、新しく3倍程度の水を加えて30~40分、芯が柔らかくなるまで炊く。
[アワ] 
1
  • イネ科、アワ属
  • 原型は雑草のエノコログサ(ねこじゃらし)と推定される。原産地は中央から西アジアで、シベリア、オーストリアを経て、ヨーロッパに石器時代に伝わったとされる。
  • 日本では縄文時代から栽培されていた「ヒエ」と並ぶ日本最古の穀物で、稲が伝来する前の主食だったとみられる。日本全国で広く栽培されているが、多くはもち種となっている。うるち種は主にアレルギーの代替食として、もち種は粘性が強く餅や粥として用いられている。
  • 殻の色から、赤粟、黄色粟などがあり、実はクリーム色と薄い黄色のものがある。表面の色素はポリフェノールで、パントテン酸の含有量が雑穀の中では特に多い(1.84mg/100g)。その他、ビタミンE、B1、B6、ナイアシン、カリウム、鉄、亜鉛を多く含む。
  • 「アワ」は風味が淡いことに由来しており、あっさりとクセがなく、上品で食べやすい。もち種はもっちりとした食感。あわぜんざい、あわ大福など和菓子にも使われる。
                                                                                                                             
エネルギー たんぱく質 脂  質 カルシウム
  (kcal) (g) (g) (mg)
精白米 356 6.1 0.9 5
薄力粉 368 8 1.7 23
あわ(精白粒) 364 10.5 2.7 14
はとむぎ(精白粒) 360 13.3 1.3 6
 
  ビタミンB1 ビタミンB2 食物繊維
   (mg) (mg) (mg) (g)
精白米 0.8 0.08 0.02 0.5
薄力粉 0.6 0.13 0.04 2.5
あわ(精白粒) 4.8 0.2 0.07 3.4
はとむぎ(精白粒) 0.4 0.02 0.05 0.6
 

|

« 野菜の学校(6) 地うり | トップページ | 野菜の学校(8) イワテヤマナシ »

グルメ・クッキング」カテゴリの記事

」カテゴリの記事

野菜の学校」カテゴリの記事

伝統野菜・地方野菜」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 野菜の学校(7) 雑穀:

« 野菜の学校(6) 地うり | トップページ | 野菜の学校(8) イワテヤマナシ »