野菜の学校(7) 雑穀
▼以下、配付資料から
<雑穀のプロフィール>
- 食品成分表には穀類138食品が掲載されており、一般的に、雑穀とは穀類のうち、米、小麦、大麦を除いたものをいう。
- 日本雑穀協会では、農学的学問分野から見た雑穀の定義を尊重しつつ、雑穀と呼ぶ穀物の対象範囲を広げ、「日本人が主食以外に利用している穀物の総称」と定義している。日本人の主食の米以外の、キビ、アワ、ヒエ、モロコシ、ハトムギ、オオムギなどイネ科作物の他、ソバ、アマランサス、キノア、ゴマに加え、ダイズやアズキなどのマメ類、また、ふだん食される機会の少ない玄米や発芽玄米も雑穀に含めている。
- 日本では紀元前3000年以前より栽培され、「古事記」にも、稲・粟・麦・小豆・大豆を“五穀”と記され、古くから日本人の食生活と密接に関わってきた。
- ここ100年間で栽培面積は1000分の1となり、生産量は少ないが、一部の地域で生産、加工されている。現在流通している雑穀の90%以上は輸入品。国産品として岩手県は雑穀の生産量日本一。
◇世界中で雑穀が受け継がれてきた主な理由(日本雑穀協会より)
- 土壌や気候条件などが不良な土地でもよく生育し、収量は少ないが安定した収穫が得られる。
- 長期保存できるため、不作の年の救荒作物として必要。
- 製粉、挽き割り、穀粒のままの調理、酒造りの原料など、多様な利用法が確立されている。
- 高い栄養価と機能性を有し、さまざまな地域で疲労回復や薬用にも利用されてきた。
- モチ種、ウルチ種のものがあり、農耕儀礼やハレの日に餅や地酒として、雑穀独自の食味と風味が親しまれた。
- イネ科、ジュズダマ属
- 川辺で見かける多年生植物「ジュズダマ」の変種とされる。起源は東南アジアで、日本には江戸時代に中国から薬用として渡来。中国では古くから漢方薬や滋養強壮食として重んじられ、日本でも薬用、食用、健康茶用などに小規模に栽培されてきた。漢方の生薬名は「ヨクイニン」で、美肌効果、新陳代謝の促進、利尿作用、解毒作用がある。
- 雑穀の中でも独特の粉っぽさがあり、硬めの噛みごたえで、素朴な雑穀らしさがある。精白した丸粒状のものが多く流通しているが、挽き割りされた状態のものもある。
- 精白米に比べて粒が大きく硬いので、いっしょに炊くより別に炊いて合わせたほうがよい。たっぷりの水に3~4時間ほど浸けてざるにあげ、新しく3倍程度の水を加えて30~40分、芯が柔らかくなるまで炊く。
- イネ科、アワ属
- 原型は雑草のエノコログサ(ねこじゃらし)と推定される。原産地は中央から西アジアで、シベリア、オーストリアを経て、ヨーロッパに石器時代に伝わったとされる。
- 日本では縄文時代から栽培されていた「ヒエ」と並ぶ日本最古の穀物で、稲が伝来する前の主食だったとみられる。日本全国で広く栽培されているが、多くはもち種となっている。うるち種は主にアレルギーの代替食として、もち種は粘性が強く餅や粥として用いられている。
- 殻の色から、赤粟、黄色粟などがあり、実はクリーム色と薄い黄色のものがある。表面の色素はポリフェノールで、パントテン酸の含有量が雑穀の中では特に多い(1.84mg/100g)。その他、ビタミンE、B1、B6、ナイアシン、カリウム、鉄、亜鉛を多く含む。
- 「アワ」は風味が淡いことに由来しており、あっさりとクセがなく、上品で食べやすい。もち種はもっちりとした食感。あわぜんざい、あわ大福など和菓子にも使われる。
エネルギー | たんぱく質 | 脂 質 | カルシウム | |
(kcal) | (g) | (g) | (mg) | |
精白米 | 356 | 6.1 | 0.9 | 5 |
薄力粉 | 368 | 8 | 1.7 | 23 |
あわ(精白粒) | 364 | 10.5 | 2.7 | 14 |
はとむぎ(精白粒) | 360 | 13.3 | 1.3 | 6 |
鉄 | ビタミンB1 | ビタミンB2 | 食物繊維 | |
(mg) | (mg) | (mg) | (g) | |
精白米 | 0.8 | 0.08 | 0.02 | 0.5 |
薄力粉 | 0.6 | 0.13 | 0.04 | 2.5 |
あわ(精白粒) | 4.8 | 0.2 | 0.07 | 3.4 |
はとむぎ(精白粒) | 0.4 | 0.02 | 0.05 | 0.6 |
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