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2015年1月17日 (土)

野菜の学校(6) 開成弥一芋

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1月のテーマは神奈川県の伝統野菜。講師の北浦健生さんは、明治時代からつくられている「開成弥一芋」というさといものブランド化がどのように行われたかについて、話してくださいました。
 
▼お話と資料から、まとめてみると
  • 神奈川県開成町は特産品を模索していたが、2011年から「弥一芋リバイバルプロジェクト」を立ち上げ、町由来の里芋(さといも)「弥一芋」の特産化・ブランド化を推進。
  • 「開成弥一芋」は、1903(明治36)年に開成町金井島出身の高井(旧姓瀬戸)弥一郎氏が小田原の常念寺の住職から譲り受けた種芋がルーツ。開成町で栽培し、他の芋より食味がすぐれ、白いねっとりとした旨みがあることから一気に広まり、戦前は関東一円で栽培されていた。戦後は水稲作に押されて生産量が激減し、開成町でもごくわずかな農家が栽培するのみになった。
  • 2011年、有志の農家が「弥一芋」を復活させるために「開成弥一芋研究会」を発足。神奈川県農業技術センターが系統保存していた“弥一芋”の種芋を譲り受け、生産拡大に取り組んでいる。
  • 特産化への取り組みは下記のように行われた
    1. 「弥一」の来歴・栽培実態調査
      ・開成町内でzの「弥一」の栽培現場調査
        
    2. 特性調査
      ・2010年11月「弥一」「大野」「神農総研1号」との食べくらべ
      ・2011年11月「弥一」の収穫期別食べくらべと「弥一芋カレー」試食
        
    3. 栽培者の確保・栽培技術支援
      ・2011年6月 開成弥一芋研究会設立
      ・会員数:17名(会長1名 副会長2名 会計1名 監事2名)
      ・会の主な目的は高品質化、種芋適正管理、販売促進など
      ・2012年9月 研究会活動として先進地視察研修を行う(山梨県甲斐市八幡地区八幡芋栽培ほ場)
      ・2011年9月 ロゴデザイン審査会 ロゴは小田原城北工業高校デザイン科生徒作
      ・2012年 「開成弥一芋」という名称とロゴを商標登録
        
    4. PR活動支援
      ・2012年 環境保全型農業推進運動協定を知事と締結
      ・里芋焼酎「やいちろう」の醸造
      ・学校給食への提供「弥一芋カレー」
      ・大手量販店との連携活動⇒2014年9月、開成弥一芋ブランド化推進協議会(開成町、開成弥一芋研究会、かながわ西湘農業協同組合、神奈川県及びイオンリテール株式会社)設立
          
    5. 特産として確立・発展
      今後、力を入れる取り組みとして、以下が考えられる。
      <生産量の増大>
      ・生産規模の拡大 現状:栽培面積33a 収穫量6t
      <生産者の増加>
      ・高品質化
      ・特産品として確立
      ・町外へのPR
      ・販路拡大
なるほど、これが典型的なブランド化プロジェクトのプロセス。2010年くらいから始まっていますから今年はおよそ5年目です。
[野菜の学校]が開かれた1月10日には、今年の弥一芋はすべて出荷が済んでいました。どこにも、もうないのではないか、という状況でしたが、開成弥一芋研究会会長の遠藤将光さんから、(たぶんご自宅用の分を)特別に分けていただきました。
収穫した弥一芋が行き先へ納められて余りがないということは、このプロジェクトが順調に進んでいるということでしょう。
 
▼「開成弥一芋」の試食はけんちん汁で
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「開成弥一芋」のほか、ほとんど神奈川産の食材でつくりました。鎌倉建長寺ゆかりの「けんちん汁」。確かにおいしいさといもです。

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