野菜の学校(7) いちご
■いちごのプロフィール
- バラ科オランダイチゴ属
- 原産地は北アメリカ地方、南アメリカ地方
- 野生のイチゴは石器時代からヨーロッパ、アジア一帯で食べられていた。現在のイチゴのルーツは南米の品種と、北米の品種が交雑したものといわれている。
- 日本には江戸時代末期オランダから長崎に伝えられた。オランダイチゴと呼ばれるのはこのため。明治30年代にフランスの品種が導入され、これを改良して“福羽(ふくば)”が誕生し、本格的な栽培が始まった。
- 終戦後にアメリカから“ダナー”導入。その後“幸玉(こうぎょく)”、“宝交早生(ほうこうわせ)”、“はるのか”などの品種が誕生。宝交早生は昭和50(1975)年代にはいちご全体の6割の生産量を占めた。
- 1980年代半ばに“女峰(にょほう)”と“豊の香(とよのか)”が登場。食味の良さ、粒の大きさなどで他の品種を圧倒し、10年以上にわたってこの2品種で全国の生産量の90%を占めた。
- 栃木県では、戦後の昭和20(1945)年代に麦類の統制廃止や麻価格の下落などを背景にいちごを導入。昭和27(1952)年に、宇都宮市姿川地区と御厨町(現足利市)で集団栽培されたのが産地の始まりといわれている。昭和30(1955)年代、収益性が高く水稲の裏作として栽培できるいちごは、急速に栽培が広がった。
- 昭和40(1965)年代前半には「株冷蔵」や「高冷地育苗」などの低温処理による休眠打破技術が開発され、それまで5~6月に出荷されていたいちごが、2月に出荷可能になった。
- 1985年、栃木県が開発した「女峰」が誕生、育苗技術の開発とあわせクリスマス時期の出荷が実現。
- 1987年に夜冷育苗施設を導入し、出荷開始時期は11月上旬に早まり、いちごの収益性は飛躍的に向上。
- 1996年、「とちおとめ」が誕生。2006年には「いちご王国とちぎ」を宣言。
- 「とちおとめ」誕生から17年後に登録出願。この間約900の組み合わせを交配し、10万株以上の中から選抜。交配は2006年、同期生は約8000株。選抜にたずさわった研究員は「スカイベリーは8000株のなかでも光った存在で、ハウスの植えてあった場所を記憶している」と語る。
- 2011年商標登録。名称は全国4388件の一般公募の中から選ばれた。「大きさ、美しさ、おいしさのすべてが大空に届くような素晴らしいいちご」の意味と栃木県・群馬県の両県にまたがる日本百名山の一つ皇海山(すかいさん)にもちなんでいる。
| 固定リンク
「グルメ・クッキング」カテゴリの記事
- こうち食べる通信08(2021.03.15)
- 真室川伝承野菜図鑑~雪国を耕す(2021.02.04)
- SEED VOL.18 (2021.01.28)
- パプリカペースト「アイバル」(2020.08.05)
- ティラミスチョコレート(2020.07.21)
「食」カテゴリの記事
- はじめまして牧野野菜です。(2021.08.02)
- こうち食べる通信08(2021.03.15)
- 真室川伝承野菜図鑑~雪国を耕す(2021.02.04)
- SEED VOL.18 (2021.01.28)
- パプリカペースト「アイバル」(2020.08.05)
「伝統野菜・地方野菜」カテゴリの記事
- はじめまして牧野野菜です。(2021.08.02)
- こうち食べる通信08(2021.03.15)
- 真室川伝承野菜図鑑~雪国を耕す(2021.02.04)
- SEED VOL.18 (2021.01.28)
- 伊吹大根の「ぜいたく煮」(2020.06.30)
「野菜(くだもの的)」カテゴリの記事
- 大江戸味ごよみ 7月13(土)は本田(ほんでん)うり(2019.07.13)
- 大江戸味ごよみ 7月2日(火)まくわうり(2019.07.02)
- 佐賀のいちごさん(2019.01.03)
- 高知、江本農園の「アンテナスイカ」(2018.03.08)
- いちごの食べくらべ(2017.02.03)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント