ランチの野菜度 京都「草食なかひがし」
◇店名についている「草食(そうじき)」という言葉にも惹かれましたし、店主中東久雄さんの著書『草菜根』の編集者を存じあげていましたから、いつか行きたいお店でした。
◇めったに入れないと聞いていたのですが、ときどきごいっしょにおいしいものを食べに行くお料理の先生が、誘ってくださいました。京都在住のお知り合いが予約をとってくれたのだそうです。直接は存じあげない、その京都の方のご厚意でランチをいただきました。
◇中東久雄さんは、マスコミにもたびたび登場する方です。一見の観光客をどう扱うかしら…と思っていましたら、さすが京都。観光客も常連客もいい気分にさせてくれるプロです。ひょうひょうとしたお顔から飛び出す思いがけないオヤジギャグに笑い出してしまい、リラックスして楽しみました。
◇お料理の写真は撮りましたが、中東さんがみなさんに向かって早口で説明なさるので、よく聞き取れず。「本日のテーマは“桜のなごり”」らしい。そういえば、その日の中東さんは、ちょっと目立つピンクのネクタイ。それも桜ですね。
店名の上、ちょっと見えにくいのですが、板に「お竈はんの御飯に炭火の肴と山野草を添えて」と書かれています。
▼料理の写真
食べただけで、材料はどこの何で、それがどうなっているか、ということがわかるといいのですが…。以下は聞き取れた範囲のメモ。間違っているかもしれない。
わさびの葉の上に、「たけのこ蒸し焼き」「たまご焼き」「ほたるいかの燻製」…と、知っている食材しか思い出せませんが、野の草をはじめ、さまざまな食材をさまざまにお料理したものがのっています。
こごみの白和え。のっているのはつくしを乾燥させたものと菜の花。器もつくしのイメージだそうです(確か)。
白みそ仕立ての汁に「よもぎ餅」が入っていました。献立名では「椀」と「汁」は違う、といいますが、ま、いいことにしよう。
「さくらます」、手前は「日向夏」。小鍋で練っているのをみて、先生と「あれは何だろう」と言っていたら、ブロッコリーのマッシュでした。「さくらます」の上にのっています。
「小川のうずまき」と聞こえたのはお皿のことでしょうか。お皿の上には、「鯉のあらい」「いたどり」「のびる」「うど」…。ほかのメモはありません。手前の茶色は、小川の「岩」に見立てた「乾燥しょうゆのムース」だそうです。
外の看板上の板書きにある「お竈はん」から「煮えばな」。お米がごはんになるところ。そういえば、ごはんは「アルデンテ」がいちばんおいしい、と言う人がいましたっけ。
たけのこともろこの炊き合わせ。
▽七つめのお皿はどちらかを選びます。
どちらも炭火で焼いたものです。もちろんシェアしました。
笹がれいの骨の唐揚げ
焼きしいたけと根みつばのおひたし
「はい、メインディッシュです」と、真っ白なごはんが入ったお茶碗が渡されました。一粒一粒のつややかな輝き、しあわせな香り…。お米は山形の「つや姫」、川西地区のものだそうです。「このお米、天日干しじゃない?」と、さすがお料理の先生。塩と山椒オイルをつけていただきます
いちご、きなこのシャーベット、くずもち
このいちごは何ですか、ときいたら「チュウトウいちご」という答が返ってきました。「中東いちご」って聞いたことないなぁ。と思ったら、中東(なかひがし)さんのために作っているいちご、という意味だったようです。
◇野菜度は★★★★に近い★★★。何種類の野菜を食べたかしら。
◇お料理は個性的で意外に華やか、あちこちに驚きがあります。でも、仰々しくありません。中東さんとのやりとりは、まじめなのか、からかわれているのかよくわからないのですが、リラックスして食事を楽しんだお客が、いっぺんにファンになってしまうのがよくわかりました。
■草食なかひがし
京都市左京区浄土寺石橋町32-3075-752-350012:00~14:00 18:00~21:00月休 ※要予約
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