野菜の学校(10) 和歌山の実山椒など
ミカン科サンショウ属の落葉低木。縄文時代の貝塚から種が出土したといいますから、伝統野菜どころではありません。和歌山は、実ざんしょう生産の約80%を占めるという圧倒的地位を誇っています。さんしょうは大昔から香辛料として使われているだけに、あらゆる部分が利用されます。以下は、『野菜の日本史』(青葉髙・八坂書房)などから整理したもの。
- 若い葉:「木の芽」料理のツマ、香料
- 花:「花山椒」料理のツマ,香料
- 未熟果:「青山椒」料理のツマ,香料
- 熟果:「実山椒」漬けものや佃煮
- 乾燥した熟果の果皮:砕いて七味とうがらしの香料、粉山椒
- 乾燥した樹皮:「からかわ」といい、汁物の吸い口や佃煮、薬用
- 種子の油:香料や薬用
- 木:すりこぎ
「野ふき」とも呼ばれる野生のふき。野菜の学校当日は終盤に近く「もう、ないかもしれない」とのことでしたが、やってきました。皮はむかなくても…とも聞きました。でも鞆淵からはちょっと遠かったようです。
▼ミニトマト
品種は「キャロル7」と「アイコ」。取材させていただいた方のハウスからやってきました。
▽キャロル7
房どりできるサカタのタネの品種。農家がJAに出荷し、糖度などの品質が合格すれば、バラは「優糖星」、房どりは「赤糖房」というブランドがつきます。東京でもよく見かける、けっこう高価なトマトです。「優糖星」が「ゆうとうせい」はすぐ読めるけれど、「赤糖房」を「あかとんぼ」と読むのはちょっとクルシイような…。「アイコ」はプラム型のミニトマト。JAのブランド名は「王糖姫」、これで「おとひめ」と読むそうです。
鞆淵(ともぶち)がんこ農家の黒豆。鞆淵はかつて、京都石清水天満宮の荘園だったところで、食についても京都の影響が強かったそうです。黒大豆もそのひとつ。鞆淵のJAの方は「丹波の黒豆よりおいしい」と自慢していました。
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