野菜の学校(6) 新しょうが
<しょうがのプロフィール>
- ショウガ科ショウガ属。熱帯アジアやインドあたりが原産地とされるが不確定。インドでは紀元前300~500年には保存食や医薬品として使われていたらしい。アラビア商人によって東洋からヨーロッパに伝えられ、乾燥品は最初のスパイスとして使われていた。
- 日本へは縄文時代に伝わり、奈良時代には栽培されていた。しょうがと呼ばれるようになったのは、江戸時代になってからである。
- しょうがは種しょうがを植え付けして栽培するが、一度に全部収穫せず、タイミングをずらすことで、形態の違うしょうがを収穫することができる。
- 矢しょうが(筆しょうが)‥葉が4枚程度の頃に掻きとって収穫。
- 葉しょうが(谷中しょうが)‥矢しょうがよりさらに生育してから収穫。
- 根しょうが(新しょうが)‥根が肥大した頃に収穫。辛みが穏やかでみずみずしい。6~8月に出回る夏の新しょうがと、9~10月に種しょうがとして貯蔵する前の採りたてを出荷する新しょうががある。
- 種しょうが(古根、ひねしょうが)‥新しょうがを収穫して地中に残ったしょうが。貯蔵しておいて、通年流通する。繊維質で辛みが強い。
[和歌山新しょうが]
- 和歌山市河西、布引などの砂丘地帯を中心に生産。ほとんどが新しょうがとして5~9月に出荷されている。生産量は全国2位。
- 江戸時代から生産され、本格的に商業生産されるようになったのは、1947(昭和22)年頃。当初は露地栽培だったが、現在ではほとんどが施設栽培となっている。
- 水はけのよい砂地で作られるしょうがは、みずみずしく、繊維がやわらかい。香り高く、さわやかな辛み。
- 甘酢漬け、ジンジャーシロップなどにする。
<栄養・効能>
- 新しょうがの栄養成分のデータはない。
- ひねしょうがのエネルギー30kcal、水分91.4g、カリウム270mg、食物繊維2.1g/100g。新しょうがはひねしょうがに比べて栄養成分が少なく、水分が多いと推測される。
- しょうがの香り成分シネオールは食欲増進の働きがあり、疲労回復、夏バテ解消、解毒、消炎作用もあるといわれる。
- 辛み成分のジンゲロン、ショウガオールには強い殺菌作用や血行を促進し、新陳代謝を活発にする作用があるため、冷え症の改善や脂肪の燃焼を促進する。また、基礎代謝を上げる作用があるので、ダイエット成分としても期待される。昔から万病に効くとされ、医療用の漢方薬に多く使われている。
<基本調理法・料理例>
- 新しょうがは甘酢漬けにしたり、サラダ、酢の物、しょうがシロップ、ジャムなどに。
- せん切りにしたしょうがを塩でもみ、ごはんに混ぜると、さわやかな新しょうがごはんができる。
- ジンゲロン、ショウガオールには肉や魚の臭みを消したり、殺菌作用、抗酸化作用がある。また、たんぱく質分解酵素を含むため、肉をやわらかくする働きがあり、料理には欠かせない食材の一つ。
- 新しょうが 500g
- 塩 1%
- 砂糖 1カップ
- 酢 1カップ
- 新しょうがはスライサーで薄くスライスし、塩をまぶして10分ほどおく
- 甘酢の材料を鍋に入れてひと煮立ちさせ、冷ます
- 1の新しょうがをよく絞り、2の甘酢に漬ける
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