野菜の学校(8) 武雄のパクチー
8月の[野菜の学校]に、「キラッと光る佐賀県の園芸特産物づくりチャレンジ事業」に取り組む江口農園のパクチーがやってきました。
◇友人から「なぜパクチーが嫌いになったか」という話を聞いたことがあります。もう30年以上前のニューヨーク、友だちのおうちで新年を迎えた彼女は、お雑煮を作りました。スーパーで見つけた三つ葉も入れて…。「ああ、嬉しい!お雑煮だ!」と食べてみると、三つ葉がすご~くヘンな匂い。え~!?これ、三つ葉じゃない。なんだろう??
その大事な大事なお雑煮を台無しにした犯人が、シャンツァイ、つまりパクチーだった。それ以来、ぜったいダメ、だそうです。
その大事な大事なお雑煮を台無しにした犯人が、シャンツァイ、つまりパクチーだった。それ以来、ぜったいダメ、だそうです。
◇そうだよねぇ。スーパーにおいてあるのは最近だもの。知らなかったのは当然と思う。でも、その頃からニューヨークのスーパーにはあったわけね。私はエスニックが嫌いじゃないし、パクチーOK。日本のお店で買うパクチーって、香りがやわらかくてパンチに欠けるような気がする。問題の「三つ葉」は、きっとすごくパンチがあったんだろうな。
◇売られるようになったのは最近ですが、この葉っぱは、日本にも古くから知られていました。吉田よし子先生の『熱帯の野菜』(楽游書房)には、「コエンドロ(コリアンダー)」という項目で、「江戸時代には、寿司の薬味に使われていたこともあるらしい」と書いてあります。
- 分類:セリ科コエンドロ属
- 原産地:地中海沿岸
- 別名:中国パセリ、コエンドロ
- 英名:コリアンダー
- 中名:香菜(シャンツァイ)、イェンツァイ
- アジア:パクチー(タイ)、ザウムイ(ベトナム)
- 和名:香菜(コウサイ-農林水産省の統一名称)、コシ、コニシ
- 東南アジアで広く利用される「東アジア型」-シャンツァイと、スペイン、中南米料理に多用する「ヨーロッパ型」-コリアンダーがある
- 古代エジプトの遺跡から種子が発見されたともいわれており、古くから利用されている。
- 平安時代の『和名類聚抄』『延喜式』に記載があり、日本には中国を経由して10世紀までに渡来したと考えられる
- ヨーロッパ型のものは、江戸時代にポルトガル人によって伝えられたが、普及しなかった
- ビタミンA効力、ビタミンB1、B2、C、鉄が多く含まれる。中国では風邪や肝臓病によいとされ、中世ヨーロッパでは媚薬としてもてはやされた
市からのバックアップもあり、江口竜左さんが家族に提案して始めたといいます。「武雄のパクチー」といえば「うちのパクチーだ」といえる、佐賀県では珍しい作物。
意外な組み合わせですが、なかなかおいしく好評でした。
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