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2015年9月17日 (木)

野菜の学校(10) 日本きのこセンター

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[野菜の学校]の昨年1月(ということは2013年度の8回目)は能登の伝統野菜・地方野菜がテーマでした。そのときに登場した、大きく美しい生しいたけが「のとてまり」。鳥取の日本きのこセンターが開発した新しい菌を使っていると知り、「新しい菌! きのこも野菜と同じなんだ」と思ったことをおぼえています。そのしいたけ菌は鳥取の研究所から能登へ導入された、ということも意外でした。

▽能登産「のとてまり」
Photo
 
日本きのこセンターが開発した「菌興115」という品種。
 
[野菜の学校]で鳥取取材のプランを立てていたとき、このことを思い出して、取材のお願いをしたところOKをいただきました。
 
当日のプログラムは大きく分けると2つ。上に「菌蕈(きんしん)研」と大きく書かれたビルで、菌蕈研究所所長、福政幸隆さんのお話をうかがい、その後しいたけの圃場を見学しました。
 
▽菌蕈研究所所長 福政幸隆さん
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所長は興味深いお話をたくさんしてくださいました。そのなかで特に印象に残ったのは、原木しいたけ栽培の意味です。
  • 原木しいたけ栽培は、ほだ木としてコナラやクヌギを伐採して使う。伐採された切り株からは、翌春新しい芽(ひこばえ)が出て、森は再生していく。
  • 森は、土砂の流失を防ぎ、清らかな水を豊富に蓄え、空気を清浄にする。広葉樹の落ち葉は分解され養分になって海に流れる。「森は海の恋人」といわれるゆえんだ。
  • かつては伐採した切り株のひこばえから森が再生することで、里山は維持されてきた。が、いま、日本の森は十分な維持・管理ができておらず、危機にひんしている。
  • 原木栽培は森を守ることにつながり、それは、多様な生き物が生息する豊かな生態系を守ることにつながっている。消費者も、原木栽培のしいたけの価格には環境保全への対価が含まれる、と考えて、少し高価でも、買って原木栽培を応援してもらいたい。そうすることが日本の森や自然を守り、中山間地域の環境保全循環型農林業を支えることになる。
教育や研究の話もありました。
  • 菌蕈研では、原木栽培を広めるために「日本菌類専門学校」を開設したが、現在は休校とし、「きのこ栽培担い手養成研修制度」で栽培者を養成している
  • 菌蕈研で開発した品種を含むきのこ類を主とした遺伝資源(約1000種)を液体窒素タンクにて凍結保存。、きのこ類の同定に欠かせないタイプ標本を含む標本21000点もあわせて保管。
  • この遺伝資源と標本を活用した、きのこ生産、医薬品、機能性食品、環境技術、基礎研究等に関する共同研究・開発など
 
▽超低温菌株保存室
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保存容器は4つ。液体窒素(-196℃)の中で、しいたけやまつたけなど、さまざまなきのこが培養菌糸体の状態で生きたまま凍らせ、保存されている。
 
▽しいたけ圃場の岸本隆吉さん
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岸本隆吉さんは菌興椎茸協同組合(日本きのこセンターの関連企業)ヘルシー事業部の部長さん。生しいたけの圃場を案内してくださいました。
原木栽培の圃場を実際に見るのは、これで2度目です。あとは本などの写真で見ただけですから確かなことはいえませんが、これ、相当大きい。ずーっと奥の方まで、ほだ木が並んでいました。
 
▽林の中に、生しいたけのほだ木が続く
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