野菜の学校(6) らっきょう
■鳥取の海岸に沿って東から西へ、名前のついた砂丘が10も続く。
- 岩美砂丘
- 福部砂丘
- 浜坂砂丘
- 湖山砂丘
- 浜村砂丘
- 泊砂丘
- 羽合砂丘
- 北条砂丘
- 淀江・日吉津砂丘
- 弓浜砂丘
■砂丘に適した作物が古くから作られてきた
- ぶどう:1909(明治42)年、北条砂丘に導入。
- らっきょう:江戸時代に参勤交代で持ち帰ったとされる。1914(大正3)年「福部砂丘」でまとまった栽培に成功。
- 白ねぎ:1929(昭和4)年、西伯郡農会によって推奨品種として推進。1930(昭和5)年大阪市試験販売。
- ながいも:1891(明治24)年、埼玉県より導入される。1935(昭和10)年、京阪神市場へ木箱で初出荷。1949(昭和24)年出荷組合が組織される。
■らっきょう栽培の始まりは江戸時代
- 江戸時代の参勤交代の付け人が江戸の小石川薬園(現:小石川植物園)から持ち帰ったことが始まりという説が有力。
- 悲願であった不毛の砂丘地を農地開発するため、濱本四方蔵氏が0.5haのらっきょう畑を開墾。これが、県内における商品生産を目的としたまとまった栽培の最初といわれている
- 1917(大正6)年、四方蔵氏の提唱で産業組合設立
- 1920(大正9)年、塩漬け商品を京阪神市場に出荷販売、以降らっきょう栽培の機運が盛り上がる
- 1965(昭和40)年頃、大豊作により市場価格が暴落。これを機に、福部村農業協同組合が塩漬け及び 味付け加工を始め、価格を安定化
■らっきょうが砂丘畑で作られるわけ
- 乾燥に強く秋から春にかけての雨や雪の水だけで作ることができる
- 栄養分の少ないやせた土地でも作ることができる
- 病気や害虫が発生しにくい
- 白い小粒のらっきょうを作ることができる
■鳥取県産らっきょうの特徴
- 丸1年かけてじっくりと生育している
- スプリンクラーを活用し品質の安定、出荷量の安定を図っている
- 完熟ラッキョウ(乾物率30%以上)の品物だけを出荷
- 根付ラッキョウは乾燥機で乾かし薄皮を取り除き出荷
■らっきょうのプロフィール
- らっきょうの原産地は中国といわれ、浙江省の山野に多く自生
- 紀元前の春秋戦国時代にはらっきょうを利用していた記録がある(中国最古の古文書「爾雅」に記載)
- 漢方薬として、呼吸器薬、下痢止め薬、切り傷薬、火傷薬、などに利用
- 漢方薬として9世紀頃に日本へ伝来
■らっきょうの機能性
- 花粉症・アレルギー性鼻炎・じんましんなど、アレルギー症状の抑制効果
※講師の小林先生は、らっきょう担当になり、自分で漬けて食べるようになってから、花粉症が治ったそうです。 - 心臓病・脳卒中の予防効果
- ニンニクの3倍以上のがん予防効果(出典:「現代東洋医学」奥山徹)
- 認知症症状の予防効果(放送大学佐藤講師)
▼機械化されたらっきょう植えつけ
「ねばりっこ」の生産者、道祖尾(さいのお)貞浩さんは、ながいも畑の道路一つ隔てた畑で、らっきょうも作っています。植えつけしているところを見せていただきました。
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