野菜の学校(8) 「なつひめ」と「新甘泉」
お邪魔したのは大山町住吉にある片桐肇さんの圃場。片桐さんは、大山果実部指導部長をなさっています。
関東のなし畑と大きく違うのは、ハウス栽培であることでしょう。「なつひめ」と「新甘泉」が育っていました。
▽なつひめ
ハウスの中で、「なつひめ」は袋を2度かけるといいますから、乳母日傘どころでないお姫さまの育てかたです。才色兼備、美しい肌の大きな珠玉のような実がいくつもなっていました。
「なつひめ」の弟?は「新甘泉」で、こちらもとても眉目秀麗にして学業優秀。両親は同じ「筑水」と「おさ二十世紀」から生まれた、青梨と赤梨です。
なしの栽培でも重要なのは、土づくり、根づくり。そのために根のまわりに枯れ枝などが積まれていました。
▼以下、資料から
<「なつひめ」「新甘泉」の誕生まで>
- 1989年~1990年スタート ①母親品種の花のおしべを取りのぞく ②父親品種の花粉を交配する ③他の品種の花粉が混ざらないように袋をかける
- 実った実からタネを取り出す
- 2万粒のタネをまいて、芽生えた苗1万本を育てた
- ナシの大敵、黒斑病の胞子を摂取し、発病しない苗5千本を選び、1991年~1992年、畑に植えた
- 苗木を育て、結実。実った果実の品質を調査し、大きく、きれいで、おいしいものを8系統まで選抜
- 生産者の果樹園での試作評価、消費者対象の試食アンケートを通じて、さらに有望なものに絞り込み
- 2007年3月に「なつひめ」、2008年2月に「新甘泉」が品種登録された
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