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2015年10月12日 (月)

野菜の学校(4) 鳴沢菜

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講座「日本の伝統野菜・地方野菜」10月のテーマは山梨。鳴沢菜は「ツケナ」の種類です。そこで配付資料では、ツケナ全体と鳴沢菜について、簡単にまとめました。

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▼以下は配付資料から
<ツケナのプロフィール>
  • ツケナ類とはアブラナ科アブラナ属の非結球性葉菜類の総称。非結球性葉菜類とは、キャベツのように葉が球にならない野菜で、主に葉を食用とするものをいう。
  • 「ツケナ」の音から「漬け菜」と受け取られ、「漬け菜」という表記例をよく見かけるが、これは文字通り「漬けもの用の菜」のことで、用途を示しており、植物分類上の表記としては適当ではない。
  • アブラナ属はなたね(菜の花)、小松菜、野沢菜、チンゲンサイ、タアサイ、からし菜など多くのツケナ類があり、世界中に分布している。
  • 日本へは、奈良時代以前に中国から渡来し、各地においてさまざまな地方種が発達した。これらの野菜は、寒さに強い品種が多く、冬の厳しい北陸でもビニールのトンネル栽培やハウス栽培で生産・出荷されている。(参考:北陸農政局)
  [鳴沢菜]
  • 鳴沢村は富士山北西山麓にあり、標高900m、富士山の真北にあたる。栽培当初は焼畑で栽培されていたが、自家採種を繰り返す間に淘汰され、この地域の気候や風土にあった現在の鳴沢菜になったと考えられている。鳴沢村は冬季の気温が低く、野菜不足になるため、この鳴沢菜を干して漬けもの物、干し菜に、根は切り干し大根として冬場の食料にしてきた。この地方では冬季の野菜としては鳴沢菜が唯一のものだったという。
  • 鳴沢菜は、野沢菜と同様、根の発達の小さい蕪菜(カブナ)の一種。葉数が多く、根の肥大が早くて大きいこと、根に糖分が多いことなどが特徴。
  • 通常は草丈60~70cmで収穫される。葉が大きく濃い緑色で、太くみずみずしい。縁には鋸葉がある。根は円錐形で、地上に出る部分は赤紫になり、地中部は白い。糖分が高く、生で食べると柿に似ているという。
<栄養・効能>
  • 鳴沢菜の栄養成分は「食品成分表」にないため、同じカブナである野沢菜の数値を参考に示す。鳴沢菜もβ-カロテン、ビタミンC、カリウムなどは豊富ではないかと推測される。
  • 野沢菜はエネルギー16Kcal、β-カロテン1200㎍、ビタミンC 41mg、カリウム390mg/100g。
<基本調理法・料理例>
  • 干した鳴沢菜を必要に応じて水でもどし、鳴沢の郷土食でもある「ちちんぴお」にする。ちちんぴおは、季節の野菜とこねた小麦粉を入れたみそ仕立ての汁もので、いわゆる「すいとん」 のこと。「ちぎりこみ」 とか、「おつけだんご」 とも呼ぶ。
  • 漬けもの、みそ汁の実、おひたし、油いため、おやきの具として使う。
 

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