野菜の学校(8) 山のじゃがいも3種
山梨には「落合いも」という在来のじゃがいもがあり、昨年度、徳島の「ごうしゅいも」との食べくらべに登場しました。今回やってきたのは、その「落合いも」と「富士種」。さらに、山梨のじゃがいもが奥多摩に伝わったという「おいねのつるいも」も加わり、3種類の山のじゃがいもが並びました。
いま、日本で多く食べられている「男爵」「メイクイーン」は、明治時代に入ってきたじゃがいもです。それ以前、16世紀後半に九州にもたらされたじゃがいもが、山間部に残っています。小粒で肉質も味もしっかりしたおいもです。
山梨では、1780年頃、中井清太夫という代官が、九州からじゃがいもを導入したといいます。そこで、甲州ではじゃがいものことを「清太夫いも」「せいだいも」と呼びました。
せいだいもの仲間は、今回[野菜の学校]にやってきた「落合いも」「富士種」のほか、「ふじのねがた」「つやいも」という名称のじゃがいももあるようです。
▼配付資料などから
- 栽培の歴史は古く、武田氏が栄えていた時代に塩山市落合地区から丹波山村へ導入。地名にちなんで「おちあいいも」と呼ばれる
- 赤皮のじゃがいも。重さは2.0~4.0gと栽培品種に比べて小型。大きさや形はさまざま
- 収量は栽培種の半分程度
- 肉質はさらっとしており、煮崩れしない
- 栽培者の高齢化が進み、生産は激減。種を保存する程度の規模で、現在、村内の栽培者は1名のみ
- 郷土料理「せいだのたまじ」やいもでんがくに利用される
- 小菅村に江戸時代から伝わるじゃがいも
- 江戸時代、小菅村には富士講の街道があり、富士講に参加する人々を「富士衆」と呼んだ。その携帯食として提供したじゃがいも「富士衆のいも」が、
- いつしか「富士種」と呼ばれるようになった
- 小ぶりだが、食味はよい
- 檜原村で作られているじゃがいも。
- おいねさんという女性が、山梨の都留(つる)から嫁入りしたときに持参した、そこで「おいねのつるいも」と呼ぶ、という。
- 「せいだいも」の仲間の可能性、濃厚。
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