野菜の学校(10) 三河島菜
「里帰りした」というキャッチフレーズがつく「三河島菜」。春の[野菜の学校]に、とうだちした三河島菜がやってきたことはありますが、旬のものは初めてです。
▼「三河島菜」のプロフィール
- アブラナ科。ツケナの一種。
- 「三河島菜」は、白菜が中国から伝来する以前、漬けもの用の菜として、盛んに栽培された
- 「荒川区史」によれば「三河島菜」という名称は徳川幕府初代頃につけられたという。産地は現在の荒川区尾久周辺
- 江戸時代初期に、三河国(愛知県)の百姓が入植してつくりはじめたと伝えられている
- 「タネ屋街道」と呼ばれた中山道には、種苗店が並んでいた。伊達藩の足軽が参勤交代の折におみやげとしてタネを持ち帰り、非常に大きな葉であったことから、「芭蕉菜」と名づけられた
- 『江戸の野菜』(野村圭佑著・八坂書房)の次の一文は、三河島菜がもっぱら漬けものに使われたことを示している
- 昭和の初めには「あの人とあの人は三河島の菜だよ」などと会話で使われた。三河島の菜は「良い菜漬け」になることから「いい菜漬け」と「いいなずけ(許嫁)」とを掛けた洒落である
- 昭和初期以降は、栽培しやすい白菜に押され、東京では作られなくなっていったが、仙台には「仙台芭蕉菜」として残っていた
- 仙台「今庄青果」のホームページに記載されている「仙台芭蕉菜」の記事をきっかけに、2010年、「三河島菜」の里帰りが実現。小平市の農家で栽培されるようになり、江戸東京野菜として復活を遂げた
三河島菜はクセのない、おいしい葉っぱです。「いい菜漬け」だけでなく、炒めものやおひたしにも使えます。大きさは今風ではないけれど、迫力があって、それも魅力。
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