野菜の学校(3) 「東京長かぶ(品川かぶ)」の仲間たち
▼東京長かぶの仲間か?
『野菜』(法政大学出版局)のなかで、青葉高先生は「東京長かぶ(滝野川かぶ)」を次のように解説しています。
関東から新潟、東北地方の山間地帯で栽培される。かぶは白色の長い徳利形で、地上部は淡緑色になることが多い。肉質はややかたく、漬けもの用に適している。葉は幾分開き、基部には欠刻があり、照葉でけがわずかにある。B形種皮で洋種系品種である。相当古くから、来歴は明らかではない。
「関東から新潟、東北地方の山間地帯」ということは、これまで[野菜の学校]にやってきた、山形の「宝谷かぶ」や岩手の「暮坪かぶ」も「東京長かぶ」の仲間の可能性があります。
今回の食べくらべの相手。岩手県暮坪地域を中心に作られているので「遠野かぶ」とも呼ばれる。来歴は不明。洋種系のかぶ。※写真上は、今回の「暮坪かぶ」。下は昨年10月の[野菜の学校]の写真。そのときの記事はここをクリック。
鳥海山の南麓、酒田市升田で栽培されている。塩鯨でだしをとり、みそで味つけした「蛸煮」は、料理された升田かぶの姿がタコに似ているから、という。
鶴岡市宝谷で栽培されている。「どんがら汁」に入れたり、かつて黒川能の際に奉納され、「かぶ汁」の実にするという。※写真は、2010年10月[野菜の学校]のもの。そのときの記事はここをクリック。
▼赤い長かぶの仲間
色のあるかぶで、姿がよく似ているのはこれです。映画「よみがえりのレシピ」にも登場する「藤沢かぶ」。※写真は2010年10月の[野菜の学校]から。そのときの記事はここをクリック。
松江市付近で栽培される。江戸時代初期に、藩主松平直政が近江から持ち帰ったかぶがもと、という。和種だが、洋種系品種の遺伝質も入っているとされる。
戸沢村の角川地区で栽培。交配が進んでおり、各家庭が好みにあった「わが家のかぶ」を選抜しているという。なるほど[野菜の学校]に届いた「角川かぶ」も、ものによって見た目がずいぶん違う。甘酢漬けや麹漬け、甘酒漬けにする。
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