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2015年11月12日 (木)

野菜の学校(5) 亀戸大根

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春になると、亀戸の香取神社で、「亀戸大根」の収穫祭「福分けまつり」が行われます。かつて「お多福大根」とも呼ばれていたので、おまつりで福を分けてくれるわけです。
春に収穫されるし、サイズも小さめ。なので、亀戸大根は春だいこん、と思っていたら、最近は周年穫れるようになったらしい。10年くらい前に「升本」で聞いた話では、確か季節によって産地を変えているとのことでしたが、人気者は出ずっぱりなんですね。
 
▼以下は、配付資料から
<プロフィール>
  • アブラナ科ダイコン属
  • 原産は中央アジアとも地中海地方ともいわれる。ダイコンは「すずしろ」、「大根(オオネ)」の別称もあり、春の七草のひとつ。日本へは中国から伝来し、室町時代頃から一般に生産されるようになり「だいこん」と音読されるようになった。日本各地の風土にあう品種が多く、100種類以上といわれるが、主流は「青首だいこん」。
  [亀戸大根]
  • 文久年間(1861~64)に亀戸周辺で盛んに作られただいこん。「お多福大根」ともいう。
  • 産地は東京都葛飾区。生産量は3月彼岸~4月。亀戸大根の栽培発祥を記念して、1999(平成11)年には香取神社に「大根の碑」が建てられた。
  • 荒川上流から運んだ肥えた土のため、肉質が緻密で風味のよい白いだいこんができる。鮮緑の丸葉で、根元の太さ6cm、長さは30cm位の小型だいこん。根も葉もいっしょに浅漬けやぬか漬けにでき、新鮮な野菜の少ない早春の青物として江戸市民から喜ばれた。
  • 春秋蒔けるが、春にトウ立ちしにくい性質を利用して晩秋に蒔き、年越しして春の浅漬け用高級だいこんとして収穫する作型で広まった。初物好きの江戸っ子は、亀戸大根を待ってぬか床を出し、その年初のぬか漬けをした。
  • 都市化の中で、生産は葛飾区高砂に移った。種を守ってきた鈴木藤一さんは、軸(葉柄)が真白でやわらかい株を残すため、蝶による自然交配の防止、冬の太陽熱を上手に取り入れて旬のおいしさを育てるヨシズ栽培の技など、多くの努力と工夫で栽培を続けている。
  • JA東京スマイル、JA東京中央会が支援しているほか、旧産地の亀戸周辺では、商店街の若手経営者グループが「亀戸大根を地域のシンボルに」と、小学校での栽培体験、亀戸大根にちなむお菓子づくりなどを進め、また亀戸大根をメニューに取り入れた料亭もある。
 
<栄養・効能>
  • 根は水分94.6%、エネルギーは18kcal、炭水化物4.1g(糖質2.7g・食物繊維1.4g)、糖質の大部分がブドウ糖、ビタミンCが12mg/100g含まれている。
  • 葉は根より栄養分が多い。水分が90.6%、エネルギーは25kcal、カルシウム、鉄、カロテン、ビタミンB群、Cを多く含む。特にカルシウムは260mg/100gと多く含まれている。
  • ビタミンCは普通のだいこんの2倍とのこと
<基本調理法・料理例>
  • 葉、根ごと浅漬け。江戸の料理屋で出る香のものとして「この大根に勝るものは無い」と言われた。
  • 間引きした葉だいこんもおいしい。
  • 「亀戸升本」という店は、亀戸大根の生産者と契約しており、亀戸大根あさり鍋、麦菜飯、野菜スティック、たまり漬けなどが食べられる。
 

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