野菜の学校(9) 滝野川大長と馬込三寸
- にんじんはアフガニスタン原産とされ、中国華北から日本に伝来した
- 享保年間(1716~1736年)に八代将軍吉宗が全国から集めた野菜のひとつ
- 「滝野川にんじん」という名は、豊島郡滝野川村(現在の北区滝野川)付近で栽培されたことに由来する。滝野川は耕土が深く、根の長い品種の栽培に適しており、長さは1mにもなる。淡紅色で香りが強く、しまった肉質が特徴
- 1945(昭和20)年頃までは盛んに栽培され、関東地方の代表品種であった
- 大竹道茂先生のブログによると、江戸東京野菜に決定した「滝野川大長にんじん」は、「滝野川にんじん」と「札幌大長にんじん」との交雑種「万福寺大長にんじん」を、「滝野川にんじん」の遺伝子を残す固定種のにんじんとして、販売元の日本農林社の了解を得て承認したもの。種子は、野口種苗で販売している。
- 今年1月、神奈川伝統野菜をテーマにしたときに登場した「万福寺大長にんじん」は、1932年頃から川崎市麻生区の万福寺地域で栽培されていた「滝野川にんじん」を川崎市農林課が中心になって改良し、品種登録したもの。
- それまで1mもある長にんじんが主流だったが、抜くのが大変だったことから、明治初期に内藤新宿農事試験場などが、収穫しやすい短根のにんじんを西洋から導入
- 「馬込三寸にんじん」は、大田区西馬込の篤農家が、西洋種にんじんを改良し、1950(昭和25)年に誕生
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