野菜の学校(11) 雲州人参
大根島は、島根と鳥取の県境、中海(なかうみ)に浮かんでいます。行政区分は松江市八束(やつつか)町。「大根島」ってとても心ひかれる名前です。どうして大根島なんでしょう。とうかがうと、この島に、杵築の御崎のたこを捕らえた大鷲が飛んで来たので「たこ島」と呼ばれるようになった、と『出雲風土記』に出ている。たこ⇒たく⇒たいこ⇒だいこんと変化した、という説が有力とのこと。野菜のだいこんは関係ないのね。モトは『出雲国風土記』ですか。さすがです。
高麗人参は、約200年前から松江市内を中心に栽培されましたが、現在も栽培するのは大根島のみ。出荷できるようになるまでに6年もかかるそうです。連作を嫌い、6年間栽培した後の畑で再度栽培できるのは10~15年後、といいますから高価なはずです。その間の畑では、牡丹の苗や「雲州人参」の圃場の屋根に使う麦わら、近年はそばも栽培されています。
八束町は、長野県、福島県と並ぶ、高麗人参の国内3大産地のひとつ。全生産量の約8割が香港や台湾へ輸出され、残りは「人蔘エキス」や「人蔘粉末」などの加工品として国内で販売されているといいます。
2013年、大根島にある日本庭園「由志園」に、「人参方」と呼ばれた松江藩のお役所が復元されました。「人参方」は藩財政を建て直すために設置した、人参の栽培から加工販売までを取りしきるところ。「雲州人参」を蒸して乾燥させる、昔ながらの加工工程も見学できます。
「牡丹」は島根の県花です。大根島での牡丹栽培は約300年前に始まりました。現在八束町は、牡丹の苗の世界有数の生産地になっているとのこと。
お昼にいただきました。薬用のサイズにならない雲州人参は、「由志園」でのお食事の食用になります。ちょっと苦い。カラダによさそうな苦み。
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