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2015年12月 9日 (水)

野菜の学校(2) 出雲おろち大根

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[野菜の学校]12月の主役「出雲おろちだいこん」は、地域のハマダイコンから選抜育成された、辛みだいこん。ハマダイコンは、日本全国に自生する地だいこんです。

島根大学生物資源科学部の小林伸雄教授は、出雲の斐伊川流域では土手に自生するハマダイコンをおろして、手打ちそばの薬味に利用していることを知り、大のそば好きということもあって(とご本人がおっしゃっています)、これを特産物にしようと、あるべき辛味や姿形をめざして選抜を繰り返したそうです。

「そば」という地域の食文化と結びついた在来の野菜をベースに、ネーミングやパッケージなどにも各方面の知恵を集めて誕生した、地域パワーに満ちた野菜です。未来へ続く伝統を創造する新しい形として、注目すべきでしょう。

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▼以下は、配付資料から
  • 「出雲おろち大根」は、島根大学生物資源科学部農業生産学科の小林伸雄教授によって開発された辛み大根。この地域ならではの農産物を生み出せないかと考え、出雲地域斐伊川流域で自生するハマダイコンに着目。根部の形状や強い辛みの追及などを育種目標に2004年選抜育成を開始し、2008年に種苗登録申請、2011年7月に「スサノオ」の名称で農林水産省の登録品種となった。
  • ブランド名の「出雲おろち大根」は、太めのひげ根が広がる外観が出雲地域の神話「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)」を連想させることや、「オロシ(チ)」て食べると強烈な刺激があることに由来している。
  • 葉が地面に貼りつくように広がって生育するため、株間を30~40cmとる必要がある(青首だいこんは20cm程度)。また、ひげ根は収穫時にスコップなどを用いて掘り起こす。
  • 栽培は9月上~中旬に種まきし、11月下旬から2月下旬まで長期間にわたって収穫可能。最近では、赤や紫色の「おろち大根」の開発にも成功している。
  • 水分は極端に少なく、皮ごとおろして出雲そばや、肉、魚などの料理の薬味、ドレッシングなどに使われる。
  • 島根大学では試験栽培とともに試食会や公開講座などのイベントを開催したり、地域の料理店とメニュー開発を行うなど、「出雲おろち大根」の普及推進を行ってきた。2008年大学で種の販売を開始。登録生産者用と個人栽培用の2種類に分けて販売し、現在は登録生産者用の種は島根県内の生産者に限定。地元の料理店をはじめ、県外の料理店や高級スーパーへ出荷されている。
  • 大学では1ヵ月に1回の頻度で生産者との「生産者情報交換会」を開催し、夏の需要の対処法や、イベント参加、PR活動にも積極的に取り組んでいる。
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▼「赤おろち」と「紫おろち」も開発中

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