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2015年12月14日 (月)

野菜の学校(5) スサノオのチカラ

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「出雲おろち大根」の品種名は「スサノオ」。島根大学生物自然科学部教授の小林伸雄先生が、地域に自生する「ハマダイコン」をモトに、2004年に選抜をスタート、2011年7月に登録された新しい品種です。そのプロセスを紹介してくださいました。

▼「ハマダイコン」のプロフィール
  • 強烈な辛さと旨味が特徴
  • 斐伊川流域では、「野大根」としてそばの薬味に利用
  • 殺菌作用等の生体機能性があるイソチオシアネートを含む
  • 「松江洞陀羅(どうだら)会」で野生種を栽培
▼育種目標は4つ
  1. 円錐形に肥大する主根
  2. 適度な岐根(ひげ根)
  3. 版中性
  4. 激辛性の安定
 
▼2006年に第4世代の特性が評価されました
▽成分分析比較
「スサノオ」のモトになった「ハマダイコン」を、「耐病総太り(いわゆる青首)」、「辛丸(サカタのタネ)」と、成分比較をしたところ、下記の結果になりました。
 
<イソチオシアネート含量(mg/100g)>
  • 耐病総太り 15.92±1.6
  • 辛丸 36.7±3.9
  • ハマダイコン 34.1±6.7
<可溶性固形物含量(Brix)>
  • 耐病総太り 4.0±0.5
  • 辛丸 5.4±0.2
  • ハマダイコン 5.9±0.5
イソチオシアネートは組織が破壊されるとできる辛み成分ですから、「ハマダイコン」は、「辛丸」より辛くないものから同等以上に辛いものまであることがわかりました。また、可溶性固形物含量の単位はブリックスで、よく「糖度」といわれるもの。つまり、いわゆる「糖度」については、この3種のなかでは「ハマダイコン」がいちばん高い、ということになります。
 
▽食味アンケート
20~70歳代の男女50人に、おろしの状態で、「ハマダイコン」、「耐病総太り(青首)」、「辛丸(サカタのタネ)」を、そのままとそばの薬味として、5段階で食味評価してもらったところ、3種のうちで「ハマダイコン」の得点が多かったのは、次の5項目でした。
  • 辛い
  • 旨みがある
  • 大根の風味がある
  • 苦みがある
  • えぐみがある
「ハマダイコン」は、辛く、旨みがあり、野性味がある、ということでしょう。ここから辛みなどの特徴をさらに安定させて、2008年品種登録を申請、2011年に「スサノオ」としてめでたく品種登録されました。
 
その後、2013年3月に収穫した「出雲おろち大根」と他の大根の成分を比較したところ、イソチオシアネートもグルタミン酸も、「耐病総太り(青首)」の数倍含まれる、という分析結果が出ています。
 
▼2013年2月収穫の「出雲おろち大根」のチカラ
<イソチオシアネート含量>
  • 「出雲おろち大根」は「耐病総太り(青首)」の3~5倍
<アミノ酸分析>
「出雲おろち大根」には、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、アルギニン、ギャバ、イソロイシンなど、「耐病総太り」よりはるかに多く含まれています。たとえば、グルタミンとギャバは以下の通り。
◇グルタミン(mg/100g)
  • 出雲おろち大根 271.5
  • 耐病総太り 47.5
◇ギャバ(mg/100g)
  • 出雲おろち大根 52.0
  • 耐病総太り 15.8
 
 

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