野菜の学校(6) 「潮江(うしおえ)菜」
『野菜』(青葉高著・法政大学出版会)の「ツケナ在来品種の地理的分布」という節には、「潮江菜」について「京菜の原種とみられる潮江菜…」とあります。青葉高先生は、『日本の野菜』という別の著書で「水菜(地方では京菜と呼ぶ)」と書いていますから、「京菜」の原種とみられるということは、「水菜」の原種とみていい、ということでしょう。
以下は配付資料から
<プロフィール>
- アブラナ科アブラナ属。
- ツケナの一種で越年草。ヒイラギナ(柊菜)、センスジナ(千筋菜)とも呼ばれる。
- 深く細かな切れ込みがあるので、葉の形状から切れ葉と呼ぶことがある。
- 5訂食品成分表では「きょうな」(別名水菜)と記載されているが、2015年の改訂では、新たに「水菜」として、生、ゆで、塩漬けの成分値が掲載されるほどポピュラーな野菜になった。
- 「水菜」は、以前は関西で多く消費され、1株3~4kg程度のものが好まれて、鍋や漬けものに使われていた。1989年頃、「京のブランド産品」の認証制度が始まり、消費者の口に合うように改良されて全国に普及し始めた。2000年ごろから関東でも本格的に栽培が始まり、200gくらいの束のものが主流になって、今や生産量第1位は茨城県。
<栄養・効能>
- 5訂食品成分表によると、β-カロテン1300μg、カルシウム210mg、鉄2.1g、食物繊維3.0g、ビタミンC55mgと、ビタミン、ミネラルが多く含まれている。
- ビタミンCとEを含むため、相乗効果で老化防止に役立つことが期待される。
- 「水菜」には肉の臭みを消すはたらきもあることから、鯨の「はりはり鍋」の具材とされた。
<基本調理法・料理例>
- 臭みのない淡白な味わいと歯ざわりが特徴。やや辛みがある。
- いたみやすい野菜で、特に軸が折れたものや根元がとれた部分から腐りやすい。
- 煮びたし、あえもの、サラダ、鍋、煮もの、浅漬け、いためものなど、生でも、加熱しても使える便利な葉物野菜。
- 「水菜」の原種といわれ、かつては「潮江かぶ」と呼ばれた。高知県潮江地区で栽培されていたことから、この名がある。漬けもののほか、正月の雑煮にも用いられていた。「煮てもへたらぬ強い味」といわれる。
- 葉の縁が欠け、葉と茎を食用にする。茎は広く、根は太くならない。
- 「潮江菜」は絶滅した伝統野菜と思われていたが、「日本の植物学の父」といわれる牧野富太郎博士の指示で、竹田功氏が種を収集、保存。これをもとにして「Team Makino」が結成され、伝統作物を「牧野野菜」として復活させる活動が始まっている。「牧野野菜」には、「田村かぶ」、「もち菜」、「大道高菜」、「焼き畑のかぶ」などのほか、ねぎ、なす、きゅうり、豆類などがある。
「潮江菜」の葉は、京都の水菜に比べると幅が広い。これ、見たことある、と思って探したら、2006年2月に撮影した埼玉産「京菜」のカットがありました。葉の色は「潮江菜」と違いますが、葉の切れこみの形がちょっと似ています。
食べてみると、この埼玉産「京菜」は「潮江菜」とはまったく違い、漬けものが得意科目。生では食べにくいし、煮びたしにすると歯ごたえがいささかジャマになった記憶があります。
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