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2016年2月23日 (火)

野菜の学校(12) 「まんば」の食べくらべ

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[野菜の学校]2月のテーマは、香川の伝統野菜・地方野菜。食べくらべは、香川の「まんば」を中心に、長崎の「雲仙こぶ高菜」と東京の「高菜」をゆでて比べました。写真は左から「まんば」、「雲仙こぶ高菜」、「東京産高菜」。
 
▼まんば(香川)

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かつては在来種が栽培されていましたが、現在の品種は、よりアクの少ない「三池高菜」になっているとのこと。「三池高菜」は、明治末頃中国から入った「青菜」と土着の紫高菜との交雑で生まれた漬けもの用の品種(『日本の野菜文化史事典』青葉高・八坂書房)です。
 
▼雲仙こぶ高菜(長崎)

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雲仙市吾妻町で種苗店を営んでいた峰眞直さんが、1947年ころ中国から引き揚げたときに持ち帰ったタネから広まったもの。交雑して本来の特徴が薄れていってしまったので、地元の岩崎政利さんが原種探しを始め、故・峰さんの奥さんが保存していたタネから再生。2003年に「雲仙こぶ高菜再生プロジェクトチーム」が結成されました。「雲仙こぶ高菜」はスローフード国際協会の「味の箱舟」計画(絶滅の危機にある食材や種を守るプロジェクト)にリストアップされています。
 
▼高菜(東京)

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高菜には九州のイメージがありますが、東京でも漬けもの用に作られています。
『日本の野菜文化史事典』(青葉高・八坂書房)に、「タカナは、東京市場では昭和30年代まではほとんど出荷されていなかったが、その後東京市場にも少しずつ出荷されるようになった」とあるので調べてみたら、「ツケナ」としてひとまとめになっており正確な数字はわかりませんでした。
 
▼受講生の食べくらべ評価 ※スタッフのメモを紹介します。
<Aグループ>
  • 味の違いはあるのだが、表現が難しい
  • 「まんば」は甘みとうまみがある。「雲仙こぶ高菜」は甘みがあって、アスパラガスみたいな食感が楽しい。「東京産高菜」は平たい。
  • 「雲仙こぶ高菜」は油と相性がよさそう。
<Bグループ>
  • 確かに、表現が難しい。
  • 「まんば」は色が個性的で苦みを感じた。「雲仙こぶ高菜」はやさしい味で甘みがある。「東京産高菜」はそれなりの味か。ゆでただけでは食べないので、慣れない。こぶ高菜はちょっと違って、アスパラのようだった。
<Cグループ>
  • 甘さは、「雲仙こぶ高菜」、「まんば」、「東京産高菜」の順番で、エグみは、「東京産高菜」、「まんば」、「雲仙こぶ高菜」の順番で、ある。「まんば」がいずれも中間の印象。
<Dグループ>
  • 「まんば」の皿が色が残っているのは、「まんば」にポリフェノールが多いからか。茎と葉で分かれ、葉まで味が濃い。筋感に差があった。
  • 高菜はそもそもあまり食べない。コンビニの高菜いため程度。いいごま油が手に入ったら、高菜いためを作りたくなる。
<Eグループ>
  • 「雲仙こぶ高菜」が気に入った。「まんば」は外葉を食べるのが特徴だということで、葉は歯ごたえがあった。葉までうま味があった。「雲仙こぶ高菜」は茎が丸い。甘みがあって、おひたしにいい。「東京産高菜」は苦みが強く、野性味がある。
 

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