野菜の学校(7) 金時にんじん
「京のええもん百科」というサイトの「金時にんじん」のページを見て、ちょっと納得がいきました。
「このブランドを認めている公的認証制度」として、「京のブランド野菜」と「京の旬野菜」のマークが掲載されています。
このページの解説文をそのままコピペすると
■歴史・由来など
「京にんじん」ともいわれ、京野菜の代表のように思われていますが、正確には明治以前から京都が主産地で栽培していたという史実はなく、京の伝統野菜には含まれていません。しかし、京料理に欠かせない彩りとして古くから用いられ、特に京都で栽培された人参は同じ金時にんじんでも、軟らかくて芯まで真っ赤であることが特徴とされてきました。
■主な生産地
京都市(現在、京のブランド産品に指定されている生産地はありません。)
で、わかったことは2つ
- 「京のブランド野菜」「京の旬やさい」として公的に認証されているが、「京の伝統野菜(明治維新以前から、が条件)」には含まれないこと
- 「京のブランド野菜」「京の旬やさい」として認証されている理由は、京料理に欠かせない彩りとして古くから用いられていること
そこまではわかったのですが、「主な生産地」に「京都市」とあって、続くカッコの中に「現在、京のブランド産品に指定されている生産地はありません。」と書かれている。これ、複雑というか、ビミョウというか、ちょっと混乱させられます。ページタイトルが「京にんじん」ではなく「金時にんじん」であることにも、深い意味があるように思えます。
ちなみに、講師の配付資料には、2013年次京都市場における「金時にんじん」の取扱量378t、そのうち香川産278t、つまり73.5%、というデータが載っていました。残りの26.5%が京都産かどうかわかりませんが、いずれにしても京のブランド産品に指定されている生産地ではない、ということは確かです。
<プロフィール>
- セリ科ニンジン属。アフガニスタン周辺の原産。
- 16~17世紀に中国から伝来した細長い東洋種と、江戸時代末期にヨーロッパからアメリカ経由で長崎へ渡ってきた太く短い西洋種がある。
- 東洋系品種は、中国において夏まき栽培で成立したもので、西洋種に比べて抽苔をおこしやすい
- 金時にんじんは東洋種、濃い赤色がおせちや京料理に珍重され、オレンジ色の西洋種に比べて甘く、やわらかい。
[金時にんじん]
- 大阪の木津川付近で成立した品種といわれ、「大阪にんじん」、「京にんじん」とも呼ばれる。
- 香川県では、明治時代前半に採種用、明治後半には出荷用として栽培が始まり、米の裏作として作られるようになった。その後、米の生産調整から水田を畑地化し、1971年~1974年に飛躍的に増反。
- 現在は坂出市と観音寺市の砂地地帯で栽培されている。作付面積は70ha超。全国シェア8割を占める。
- 年末年始を中心に消費が多く、正月の「あんもち雑煮」には欠かせない。
<栄養・機能性>
- β-カロテン当量は8600μg/100gで緑黄色野菜の代表。他にカリウム、ビタミンB群を含む。
- 金時にんじんの赤い色はリコピンという色素。カロテノイドの一種だが、β-カロテンではないため、体内でビタミンAには変化しない。しかし、リコピンは抗酸化作用が強く、老化を防止し、発がん性を抑えるといわれる。また、エネルギー、タンパク質、亜鉛、ビタミンCなどが西洋系に比べて多い。
<基本調理法・料理例>
- ビタミンAやリコピンは脂溶性ビタミンのため、油でいためたり、ドレッシングやグラッセなど油といっしょにとると吸収がよくなる。吸収率は生で1割、煮ると3割、油でいためると5~6割といわれる。
- 芯の部分はかたく、味も落ちる。野菜スティックなどは、芯より周囲のほうがおいしい。
- かつて、「紅白なます」や「もみじおろし」などの際、にんじんに含まれるアスコルビン酸オキシターゼ(アスコルビナーゼ)という酵素がだいこんのビタミンCを破壊するので、両者を混ぜないほうがよいといわれていた。混ぜると、アスコルビン酸オキシターゼが還元型ビタミンC「L-アスコルビン酸」を酸化させ、酸化型ビタミンCである「デヒドロアスコルビン酸」に変化することが、「ビタミンCを破壊する」と受け取られてきたわけだが、酸化型ビタミンCは体内で還元型に変換するので、どちらの型で摂取してもビタミンC総量は変わらない。
- ただし、生で混ぜただけの状態で長時間放置すると、ビタミンC効力が失われる。酢のものやなますなどに利用すれば、酢などの酸や加熱で防ぐことができる。
- 金時にんじん 2本
- 油揚げ 1枚
- 米 4合
- 昆布だし 600cc
- 塩 小1
- 油揚げは油抜きして細かく切る。金時にんじんは小さい乱切り。米をとぐ。
- 釜に米を入れ、昆布だしで水加減し、(1)と塩加えて炊く。
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